diversity works > 職場を知る > 「多くの社員に活躍してほしい」という会社からのメッセージを感じる
Update on :2021.10.15

「多くの社員に活躍してほしい」という会社からのメッセージを感じる

池田円さん/福田美和さん
日本電信電話株式会社/NTTファイナンス株式会社
ダイバーシティ推進室/総務人事部 人事部門 ダイバーシティ推進室

NTTグループがD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)に取り組む目的を究極的に一言で表すと、”NTTグループがこの先も生き残っていくため” であるといいます。「世の中が速いスピードで変わっていき、お客さまのニーズ・期待値・要求も多様化しています。それらに答えるため、社内にもD&Iを浸透させていかなくてはいけません。また、私たちの取り組みを社会へ発信することで社会をよりよくしたい、という思いもあります」という、NTTグループにおけるD&Iへの取り組みについておうかがいしました。

池田 円さん
日本電信電話株式会社 ダイバーシティ推進室 室長 


NTTグループ各社に設置されているダイバーシティ推進室の取りまとめ役として、グループ全体で足並みを揃えてダイバーシティ&インクルージョンを推進するための指針づくりや目標の制定などを担当。2人の子どもを育てるワーキングマザーでもある

 

より柔軟な働き方が可能になったことで社員の満足度が過去最高に

 

【多様な働き方】
コロナ禍における取り組みのなかで、特に大きく変わったことは、よりフレキシブルな働き方だといいます。

「もともとテレワークやフレックスタイム制度は導入していましたが、コロナ禍によりテレワークの回数制限をなくしました。また、フレックスタイムもコアタイムを撤廃して、スーパーフレックスタイム制になりました。社員は業務をいつ分断してもいいですし、どこからでも働けるようになっています。『時間』『場所』にとらわれない働き方は実現したことから、2022年7月新たに「居住地」にとらわれない「リモートスタンダード制度」を導入しました。」

自宅でリモートワークをする池田さん

働き方の多様化による効果は、2014年からグループ横断で実施している社員の満足度調査の結果にも強くあらわれているといいます。

「2020年度の調査では、全項目でプラス、かつ最高値になりました。特に昨年度と比べての上昇幅が高かったのは、柔軟で効率的な働き方や育児・介護との両立です。従業員に自由度を与えた働き方が社員の満足度にプラスの影響を与えていることが分かりました」

柔軟な働き方ができるようになったことで、育児のための女性の短時間勤務の取得が少なくなったそうです。つまり、時短勤務制度を利用しなくても、フルタイムで働きやすくなっているということです。

【LGBTQ】
LGBTQの主な取り組みは、管理者向けLGBTQ研修の実施や、NTTグループ横断のALLY会のオンライン開催です。「同性パートナーに対する制度は2018年から適用していますが、職場でカミングアウトしている人はまだ多いとはいえません。カミングアウトしてもしなくても支障がなく、当事者が働きやすい環境をつくるためにALLYを多く増やすことが重要だと思っています」

NTTでは通年でALLYメンバーを募集しており、今年度実施したALLY会ではNTTグループ社員約130人が集まりました。ALLY会では、どんなアライグッズがあったらいいか、や今後のALLY会の内容について意見を出し合い、ALLY会以降もグループ内チャットで意見交換をできるようにコミュニティを作っています。

「NTTの強みはグループ横断でまとまれる点だと思います。一つの会社では数が集まらないケースもあると思いますが、NTTグループ全体で活動することで、たくさんのALLYメンバーが集まり、大きなコミュニティとなっています。」

NTTグループ オンラインALLY交流会 集合写真

【障がい者活躍推進】
NTTでは、障がい者の社会参画促進、またリモートワークに対応した業務推進に遠隔操作型の分身ロボット「OriHime」の活用を2020年から開始しました。

NTT本社受付においてお客さまを会議室までご案内したり、コールセンターに分身ロボットをおいて別のロケーションで働いている本社のメンバーがコールセンターの朝礼に参加したり、物理的にそこに存在している状況をつくり出すことが可能になっています。

これまでは主に社内で活用してきた分身ロボットOriHimeですが、2021年は社外でも活用しようと、「ICT×スポーツ×地域」の共創プロジェクトを開始しました。

「第一弾として、NTTコミュニケーションズのラグビー選手と地域の人々をOriHimeでつなぎ、新たな応援・観戦体験を実現しました。また、NTT西日本では野村萬斎の能の舞台で利用し、直接来ることができない人に観てもらうということを検討していたり、小学校の授業でも活用したりもしています。」

オリヒメによる、地域の障がい者施設の子ども達とラグビー選手との新たな交流を実現

また、2021年度から、全国の障がい者、およびNTTグループ社員を対象に “アートのちからで個性を照らす「NTTアートコンテスト」” を開催。2022年度は日本航空株式会社様と協力して、絵画だけではなく立体物にも拡大して実施をしています。受賞作品はNTT本社で展示される他、ノベルティ等の商品に採用される予定だといいます。

 

D&Iの対象を広げ、最終的にD&I推進が不要になることがゴール

 
NTTグループとしてのD&Iで、今後、取り組んでいきたい方向性について伺いました。

「今まで進めていた対象は、おもに女性、障がい者、LGBTQでしたが、私たちが取り組んでいく対象はさらに広がっています。例えば、育児をしている男性、外国籍の方や中途採用者、不妊治療・病気を抱えている方などです。

また、これまでは社内、社員に対する取り組みがほとんどでしたが、今後は社外・地域にも広げていきたいと考えています。人権問題など社会に対する企業の姿勢が問われる時代になっており、企業の責任を今まで以上に強く感じます」

さらに、今までやってきたことが社員のエンゲージメントやウェルビーイング(Well being)にも繋がっているのかチェックする機能を強化していきたいといいます。グローバル統一の社員アンケートの実施や分析・対策のアクション進捗確認システムを構築し、よりタイムリーに改善につなげていきたいそうです。

「最終的にはD&I推進が要らなくなることがゴールだと思っています。女性だからとか障がい者だからとか、言わなくてもよくなるのが最終的に目指す姿です。当事者、周囲のマインド変革に手を尽くして、文化を変えていきたいと思います」
 

フロンティアとして社会課題を解決したい人に

 
「自分らしくはたらく」を軸に仕事を選びたい、学生、第二新卒を中心とする求職者へのメッセージをいただきました。

「NTTグループは会社のミッションに社会課題を解決することを掲げています。業務内容はもちろんこと、社員のボランティア活動やあっせんにも積極的で、社会のため、誰かのために働きたいという意欲がある方には、選択肢をたくさん用意できる会社だと思います。また、自分らしく自律的な働き方をしたいという方にとっても、仕事とライフを切り離すことなく、共に大事にしていける会社だと思います。

今まで世の中にないものを創っていく会社なので、最先端の技術を使って、パイオニアになりたい、フロンティアになりたい、新しいことにチャレンジしたい、という方もぜひいらしてください」

福田 美和さん
NTTファイナンス株式会社 総務人事部 人事部門 ダイバーシティ推進室  


入社10年目。リース営業や人事部門育成担当を経て、2021年4月より人事部門ダイバーシティ推進室に異動。ダイバーシティ推進に向けた社内研修や支援を行う。
 

会社からの「活躍してほしい」というメッセージを感じる

 
より多くの女性社員が指導的立場や経営の意思決定の場に参画できるよう、管理者をめざす育成を進めているNTTグループ。現在の女性社員の割合は19.62%、管理職は7%です。そこで、グループ横断のヒューマンネットワークをつくり、まだ会社ではマイノリティである女性のつながりを強化しています。会社独自でも女性管理者育成に向けた座学、グループワークを取り入れたキャリア開発プログラムを開始しています。

「今年度は二期生になりますが、すでに受講生同士や他部署のメンター、一期生とのネットワークづくりもできているようです。日頃の業務で関わる人だけでなく、社内で相談できる人が生まれ、このような場がもてて嬉しいという声が聞かれています。また、管理職や年間の表彰でも女性が増えており、女性社員が多く活躍していると感じます。休暇、制度などが充実しているのは、会社からも制度を利用して活躍してほしいというメッセージだと受け取っています」


また、女性だけでなく、さまざまな社員同士の研修を通して、ほかの社員とのネットワークづくりに力をいれています。

「業務を離れて振り返ったり、自分のキャリアを考えたりする時間がさけないこともあります。周囲に同じような人がいない中でモチベーション上がらなかったり、刺激が少なかったりすることもあると思いますが、研修がよいマインドセットになったらよいと考えています。研修で終わりではなく、同じような志を持っている仲間といつでも相談しあえる環境関係づくりをこれからもしていきたいです」
 

過去を振り返ることで“こうしたい”がみえてくる

 
「自分らしくはたらく」を軸に仕事を選びたい、学生、第二新卒を中心とする求職者へのメッセージをいただきました。

「私は職種や男女で制限なく自分がやった仕事に直接評価してもらえる会社を希望していました。

また、大学時代に学んだ経営哲学を通し、利益追求だけでなく社会に貢献するのが企業の姿だと思い、NTTのミッションを通じて社会に貢献するところに興味を持ち、入社しました。

こう生きたいを、これから見つけようと考えている人は、これまでの経験を振り返ることが大切だと思います。過去にどのような判断をしたかで、”こうしたい”が見えてくるのではないかと思いますので、自分史をつくってみることをお勧めします。

すでに見つかっている人には、それを伝えることと会社を知ることに注力してみてください。それをすることで、入社後にギャップがあっても受け入れられるものかそうでないものかを判断できるのではないかと思います」