diversity works > 職場を知る > D&Iを推進し、LGBTQ&ALLY従業員ネットワークを築く
Update on :2022.12.15

D&Iを推進し、LGBTQ&ALLY従業員ネットワークを築く

石津誠子さん/Hollyさん
コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社
SCM Communication and D&I課/営業部デジタルラーニングプラットフォーム課

SCM(サプライ・チェーン・マネジメント) Communication and D&I課に異動して2年の石津さんにSCM部門で推進しているD&Iの取り組みを、コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社に中途入社して2年のHollyさんに、従業員が自主的・主体的となって活動する「LGBTQ&ALLY従業員ネットワーク」について伺いました。

石津誠子さん
コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社
SCM Communication and D&I課

2013年に営業職でコカ・コーラウエスト株式会社に新卒入社。2015年より供給・物流部(当時)へ異動し、安全に製品を届けるための物流品質管理や安全活動に従事。2020年5月に 現在のSCM Communication and D&I課へ異動し、SCM部門におけるD&I推進業務に携わる。

Hollyさん
コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社
営業部デジタルラーニングプラットフォーム課
「LGBTQ&ALLY従業員ネットワーク」メンバー

アメリカ出身。2018〜20年にアメリカでデジタルマーケティングマネージャー、2019〜20年に東京でマーケット調査の業務に携わり、2020年よりコカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社に入社。営業部のデジタルラーニングプラットフォーム課にてデジタル学習に関する業務に従事するかたわら、社内のLGBTQ&ALLY従業員ネットワークの中心メンバーとして活動。

 

「どうしたらみんなが働きやすい職場になるか」を常に考える

 
2013年、営業職でコカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社に新卒で入社した石津さんは、2020年5月から、SCM Communication and D&I課へ異動し、SCM部門におけるD&I推進に関する業務に携わっています。

「私は製品の製造や物流を担うSCM部門内においてD&I活動を推進する業務に就いています。当社には17の工場と3つの物流エリアがあり、地域や工場によって抱えている課題や改善点は異なるため、各拠点にもD&I推進チームを設置。各D&I推進チームから情報収集し、組織の課題を明確にしたり、働く社員の声や気持ちをつなぐ役割を担っています。当社の『社員一人ひとりの多様性を尊重することで、性別、年齢、障がいの有無、人種、国籍、性的指向、性自認または表現などの属性、また就労におけるさまざまな制約要因にかかわらず、すべての社員が能力を最大限に発揮できる機会を提供する』というD&I中長期ビジョンに沿い、SCM部門でも、どうしたらみんなが働きやすい職場環境を作れるのか、ということを常に考えながら活動しています」

石津さんが異動してきたときはコロナ禍で在宅勤務が推奨されていたため、それまで顔を合わせてコミュニケーションを取ることが当然だったのが、同じ職場でもコミュニケーションが思うように取れない状況にありました。そんな中、SCM部門独自の取り組みを実施しました。

「イントラネットや社内SNSツールを活用して『絆リレー』というメッセージリレーを実施しました。各拠点や部署に呼びかけ、お互いの近況や頑張っている姿を伝え合うことを目的に、働いている様子の写真や取り組んでいるプロジェクト、またご当地のグルメ情報などを投稿してもらいました。『絆リレー』はすでにクローズしましたが、現在はこの活動で築いた『絆』を継続するため『絆ちゃんねる』という動画配信に進化させています。毎週テーマを設けて出演者も公募。例えば、工場から中継をして現場の取り組みを紹介するほか、健康のためのストレッチ方法やD&Iに関するテーマの座談会や講座なども企画しています。コミュニケーションの場として、人と人が繋がる場所になればという想いで運営しています」

白州工場で実施した交流会での記念撮影

 

女性管理職比率の向上をめざして

 
入社して10年が経ち、性別に関わらず、個人の意思や能力が尊重されるように変化してきたと感じ、石津さん自身も「女性だから」ではなく「私だから任されている」と思えるようになったといいます。そんな中、目下の課題はSCM部門の女性管理職比率の向上です。

「当社では2030年までに女性管理職比率を20%に引き上げるという目標を掲げており、SCM部門においても独自の目標数値が設定されています。現在、実現するためのプロジェクトが動いていて、私も参画しています。プロジェクトでは、制度・教育・職場環境・マインドセット、この4つの観点からアプローチをしており、徐々に社内の空気が変わり始めているように思います。また、女性管理職比率向上の必要性や本質を考え、議論しながらプロジェクトを進めている中で、性別や年齢、役職問わず、みんなの力が必要だと強く感じています。この活動を通して、属性にとらわれず誰もが活躍できる強い組織づくりに貢献していきたいですね」

 

「知識」はマインドセットを変える大きな力

 
Hollyさんは、幼い頃から日本文化に興味を持ち、日本の浮世絵や木版画、漫画や建築などを楽しんでいました。大学時代に日本に留学し、いつか日本で働き、暮らしてみたいと思っていました。2020年にその夢が叶い、コカ・コーラ ボトラーズジャパンに中途入社しました。

「私がコカ・コーラ ボトラーズジャパンへの入社を決めたのは、多様性が歓迎され、尊重されていると感じたからです。キャリアアップの機会も平等にあり、素晴らしいチームの一員として働ける環境だと思いました。現在、営業部のデジタルラーニングプラットフォーム課において、デジタル学習関連業務に従事し、社員がそれぞれ自分たちの業務や成長に必要で魅力的なコンテンツを提供しています」

本業務のかたわらHollyさんは、社内の「LGBTQ&ALLY従業員ネットワーク」の中心メンバーとしても活動しています。

「LGBTQ&ALLY従業員ネットワークは今年の6月のプライド月間に当社のD&I課が立ち上げ、私はイントラネットに掲載されたメンバー募集を見て参加しました。当社の営業エリアは1都2府35県。この従業員ネットワークは本社の東京だけでなく、住んでいる地域を含め異なるバックグラウンドを持った社員が意見を出し合い、イベントなども含めてLGBTQ&ALLYについて考え、活動していくためのベースとして設立されました。現在、コアメンバーが5人、サポートメンバーが全国に約50人います。最大の目的は、社内における『Ally』の認知率向上です。Allyになり、Allyを表明することで、助けを必要としている方をサポートできるということを知ってほしいと考えています。まずは正しい知識を持ってもらうことが大切なので、この従業員ネットワークを通して伝えていきたいです。正しい知識によってマインドセットが変わると信じています」


 

みんながここで働き続けたいと思える環境を

 
SCM Communication and D&I課に異動をして2年が過ぎ、いま石津さんは何を課題と感じているのでしょうか。

「広範囲に拠点を持つ会社では、地域性や抱えている課題も異なるので、多くの人をどうやって巻き込んでいくかというところに苦労しています。それぞれの立場によって色々な考え方があるので、まずは相手の話をしっかり聴くことを常に心がけています。そして、みんながここで働き続けたいと思える環境を作っていきたいです」

読者のみなさんに向けて、メッセージをお願いします。

「働く中では自分の思い通りにならない状況や予想もしていなかったことが起こります。そんな中でも自分らしく働くためには、まずは自分の強みを見つけることが必要だと強く感じています。環境や職場が変わっても、自分の強みは生かすことができるものです。自身の強みを人から認めてもらえた時には仕事へのモチベーションも上がると思いますので、まずは自分の強みを見つけてください」

 

自分を信じ、自分に正直に、自分の価値観をしっかり持って

 
設立されたばかりの「LGBTQ&ALLY従業員ネットワーク」を活動のなかで、Hollyさんはどんな目標を持ち、どんな価値を感じているのでしょうか。

「目標というよりも、個人の夢になりますが、当社の社員全員が100%、LGBTQ+Allyについて正しい認識を持ち、きちんと理解している、そんな組織になるといいなと思っています。知識というものは、本当に大きな力になりうると思っています。当社でアライシップが推進されていることは、とても幸せなことだと思います。属性に関わらず多くの社員がさらに幸せで健康的な職場であるためには、Allyを増やしていくことが非常に重要だと考えています。」

読者のみなさんに向けて、メッセージをお願いします。

「自分を信じ、自分に正直であり、そして自分の価値観をしっかりと持って、ぶれないことです。いま就職活動をしている人は、ぜひ躊躇せず、その企業のミッションが何かということを聞いてみてください。そして、そのミッションを実現するために、その企業が何をしているのかを質問してみてください。
みなさんが実際に入社し、ポジティブな職場環境づくりやD&Iを推進していきたいのであれば、小さなことからでも貢献できる方法はたくさんあります。私も入社して、企業のミッションに則して、良い方向に物事を変えていくことができると感じています。みなさんが選んだ会社で、大きな貢献ができるよう祈っています」