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Update on :2023.10.20

DE&Iを推進するためには、 一人ひとりの個性を尊重し、その声を採り入れ続けることが重要

和佐友香さん
コカ・コーラ ボトラーズジャパンベネフィット株式会社
ビジネスサポート事業部

ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(以下DE&I)の推進を、会社を継続的に発展させていくうえで必要不可欠な経営戦略として位置付けているコカ・コーラ ボトラーズジャパングループ。今回は特例子会社である、コカ・コーラ ボトラーズジャパンベネフィット株式会社(以下CCBJB社)で運営スタッフとして活躍する和佐友香さんにお話を伺いました。
 

和佐友香(ワサ ユウカ)さん
コカ・コーラ ボトラーズジャパンベネフィット株式会社
ビジネスサポート事業部

2020年入社。学生時代は一度ソーシャルワーカーを目指したものの、障がい者雇用の実態を目の当たりにし、就活のときに路線変更。入社後、営業部門に配属、そこで実績を築き、現在はCCBJB社で現職務に携わる。「まだまだ道半ば」と言いながらも、常に学ぶ姿勢を持って前に進んでいきたいと、意欲をみせる。
 

企業側から障がい者雇用を促進する道を選択

 
「DE&Iを推進するには、社員一人ひとりの個性を尊重したうえで、多様な価値観やアイデアを積極的に取り入れ、革新を生み出し続けることが最も重要だと考えています」という和佐友香さん。
和佐さんは、大学では社会福祉学を専攻し、国家資格である精神保健福祉士を取得。就職活動では学んだことを活かしたいと思い、医療ソーシャルワーカー(病院専門職勤務)を目指したものの、その実習のとき、障がい者雇用の理想と現実との乖離を身に染みて実感したとのことです。そこで、「福祉側ではなく、企業側から障がい者雇用の風穴を開けねばならない」と考え、就職希望先を一般企業へ変更。何かを大きく変えるには知名度の高い企業である必要があるという思いが、同グループと出合うきっかけだったそうです。

同グループはサスティナビリティー戦略のひとつに「多様性の尊重(Inclusion)」を掲げており、その中で「障がい者支援」を重点課題としています。1980 年からは40年以上にわたり社団法人 全国肢体不自由児者父母の会連合会を支援しており、全国各地の学校や公民館などに、全肢連のステッカー付き自動販売機(全肢連管理)を設置し、毎年その売上金の一部を全肢連・ 県肢連の活動費に充てています。障がい支援への取り組みを優先事項として、スペシャルオリンピックスへの協賛、#WeThe15 キャンペーン、国際イニシアチブ「The Valuable 500」への加盟などを実施している。和佐さんが夢を託すには、同グループは格好の場所でした。
「就活のとき自分の思いを伝え、自分の夢を後押ししてくれたのが弊社でした。入社時では畑違いの営業でしたが、学びは多く、営業でベストを尽くしたことで自分の望むキャリアを叶えることができました」
会社としても志望とは異なる営業での、実績を評価したうえでの抜擢だったのでしょう。「入社前からずっと願っていた今の職に携わるチャンスをくれた会社には感謝しています」
 

スタッフの成長する姿が、モチべーションに

 
CCBJB社では、ランドリー業務をはじめ、事務業務、販売機器関連業務など多彩な業務に従事しています。
「休日明けの日は、量も膨大で機械も皆さんもフル稼働です。実に大切な仕事を担っています」
 
 
障がいを持っているメンバーと一緒に働くうえで、意識していることはあるのでしょうか。
「まず障がい特性だけでメンバーを分かろうとしない、そして一人ひとりが持っている力を引き出すことです。例えば仕事の手順やお知らせを告知する社内の張り紙に、ふりがなをふるなど、誰もが理解できるようにしています」
こうした日々の業務における配慮は、私たちとの信頼関係が構築された上で、日々のコミュニケーションを通してメンバーからの「こうしてほしい」という声を聞き試行錯誤した結果、生まれてきたものだとか。
「昨日までできなかったメンバーに、工夫して伝え方を変えことで仕事をスムーズに実施できるようになることがよくあります。楽しみながら生き生きと仕事をしている姿を見ると、ホッとするとともに、スタッフの成長を感じ誇らしい気持ちになります。障がいを持っていても、ちょっとした障壁を取り除けば、力を発揮することができます。障がいを持つ人に対して、私たちが働きかけて動いてもらうのではなく、彼らが持っている力をどれだけ引き出すことができるかが、サポートスタッフである私たちの役目だと業務を通じて改めて実感しました」

同グループでは「ジェンダー」「年齢/世代」を優先事項、「障がい者支援」「LGBTQ」を重点事項として注力しています。コカ・コーラ ボトラーズジャパンのカリン・ドラガン代表取締役社長は、同社発足時に「障がい者の雇用に配慮した特例子会社として、厚生労働大臣に認定されたことをうれしい」と感謝の意を表現しています。そのうえ「設立により、サポートを必要とする社員のモチベーションを高め、それぞれの強みを発揮して業務にあたることができるようになることを確信しています」とメッセージを送っています。
 
 
「Sさんは、〇月△日は何曜日と尋ねると即座に答えることができるという特技があります。このように特技のほかにもメンバー一人一人の持っている力を生かせるように機会を創出するのが、私たちの役目です。それが成功し、自信につながれば仕事をするうえでも、良い連鎖が生まれます」
 

道に迷ったら、原点に戻り「自己分析」を

 
和佐さんは、入社してからも企業在籍型職場適応援助者(ジョブコーチ)の資格を取得したのを皮切りに、社会福祉士、障がい者職業生活相談員の取得を目指している。そんな和佐さんに読者の方々にメッセージをいただきました。
「就活は大変ですが入社=ゴールではありません。そこからがスタートで、キャリアは自分で築いてこそ、自分のものになります。会社から与えられるものでありません。私自身、営業に配属されたときも前向きに取り組みました。その一方で『障がい者雇用に携わる仕事をしたい』という夢を常に周囲に発信してきました。私が自信を持って言えることは、自分の人生の目標に向かって軸がブレなかったことです。自分自身の軸を認識して言語化し、自分のなりたい将来像を見極めるために、徹底的に自己分析をしました。もし、今、就活に迷っているなら、自己分析をやり直してみてください。遠回りかもしれませんが、明日の扉が開くきっかけになると思います。そしてその扉の先に弊社があるならば、一緒に頑張りましょう!」