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Update on :2021.01.21

有志が集い推進するダイバーシティ&インクルージョン

Leo Tan さん
日本マイクロソフト株式会社
オペレーション戦略部

多様な人が働いているグローバルカンパニーとして、ダイバーシティ&インクルージョン(以下D&I)に早期から取り組んでいる日本マイクロソフト株式会社(以下日本マイクロソフト)。そんな同社が約1年半前に始めたD&Iカウンシルは、以前から社内に点在していたコミュニティをまとめ、人事だけではなく様々な部署で働く有志の社員が集まって、D&Iを推し進めるという取り組みです。今回はそのD&Iカウンシルのメンバーとして活躍している、シンガポール出身のLeo Tan(レオ タン)さんにお話を伺いました。


Leo Tan さん
日本マイクロソフト株式会社 オペレーション戦略部 Operations Deal Manager


シンガポール出身。マイクロソフト入社以前は、複数の多国籍企業(MNC)の営業および事業開発に従事し、5年間でアジア太平洋地域の7か国をカバーしていました。特殊化学品とパッケージング分野での業務経験があります。現在は、マイクロソフトのオペレーション戦略部のオペレーションディールマネージャーです。
 

手挙げ制で集まった「D&Iカウンシル」

 
日本でMBAを取得するために早稲田大学で学んでいたLeoさん。自身はシンガポール生まれ育ちですが、学内には様々な国の人が集まっており、ダイバーシティに関心を持つようになりました。

「私の周りには、アメリカやインド、ロシアといった友人が共に学び、同じ事に対して色々な考え方と視点があるのだと学びました。最初日本へ来た時には、意思決定の方法など、日本の文化そのものにも確かにカルチャーショックを受けましたね」

ショックだけでなく、魅力を感じる部分も多かったです。インターンシップの希望を出していたところ、ちょうどフルタイム社員のポジションが空いていたというタイミングで日本マイクロソフトに入社しました。社内でも多くのサポートを受け、外国籍の社員という立場から何か日本に貢献できることはないかを探していました。

「入社して間もなく社内でD&Iカウンシルの募集があり、是非参加したいと手を挙げました」

日本マイクロソフトには、人事としてのD&I推進担当者もいます。しかし現場で働いている社員が中心となって、自らの意思でD&Iを社内で推し進めてほしいという会社の方針から、D&Iカウンシルの制度が始まり、メンバーの募集がありました。

「場所や時間に固定されない働き方や、フレキシブルな仕事の進め方など、社員が自分たちの意思で決めていくことができるのもマイクロソフトの特徴の一つだと思います」

D&Iの推進に関しても、社員が自主的に行うことが求められています。

「D&Iカウンシルメンバーは、それぞれ興味のあるD&Iのテーマは違いますが、自らの意思で参加している人ばかりなので、みんなやる気満々です」

メンバーの職種は様々で、それぞれの業務と並行して活動に参加しています。とはいえ、業務外のボランティア活動といった扱いではなく、マイクロソフトではこのような取り組みに関しても、「会社に貢献しました・社員にインパクトを与えました」という点において社員評価の対象となっています。

「Black Lives Matter(BLM)や、Women in Tech、Working Parents、LGBTQI+などテーマは多様ですが、そのおかげで自分が知らなかった課題にも気付けるようになりました」

例えばLeoさんは、LGBTQI+についての映画の上映会を通して、その課題にも新たに興味を持ち始めました。自分らしく働けない環境は辛くて、悩みも多いのではないかと更に理解を深める為に、LGBTQI+のEmployee Resource Group (ERG)イベントにも参加するようになりました。

社内でも社員一人一人のレベルでは認識されていない課題がまだ多いと感じています。多くの社員にどうやって興味を持ってもらえるかということを常に考え続けています。

日本マイクロソフト Employee Resource Group (ERG)の紹介セッションから

 

D&Iウィークでトップの認識を実感した

 
D&Iカウンシルの大きな取り組みのひとつとして、2020年10月には1週間を通したイベントを開催しました。

「D&Iウィークとして曜日ごとにテーマを変え、オンラインセッションなどを実施しました。例えばD&Iとアライシップ(当事者ではないが理解し、支援すること)に関して、マイクロソフトアジアの社長とD&Iカウンシルメンバーでファイヤーサイドチャットと呼ばれるオンラインイベントを開催し、質疑応答に答えるセッションをライブ配信しました。参加は任意のオープンなイベントでしたが、結果的に600名くらいの社員が参加してくれました」D&Iについて、会社のシニアリーダーシップチームの認識や考えを直接多くの社員に伝えることができたのは非常にインパクトを感じられました。

「会社のシニアマネジメントがD&Iについて意識が高く、それを積極的に発信することで文化を作っていこうとしていることが改めて伝わったのは、社員の安心につながり、非常に良かったと思います」

このようなイベントは終了後に、社内のサイトに録画がアップされ、当日参加できなかった社員達も見ることができます。社内への情報発信に関しても、人事だけでなく、D&Iカウンシルのメンバー達から働きかけます。どのような反応やラーニングがあったのかをイベント後にチーム内で共有と記録し、次の施策に向けての振り返りとしても役に立ちます。

D&IウィークのBLM イベントのスペシャルゲスト

 

分野を超えたインクルージョン

 
D&Iカウンシルでは何かのテーマの当事者だけではなく、誰でも参加しやすいように心がけています。

「D&Iカウンシルが立ち上がった際に、LGBTQI+や障がいがある人などだけでなく、社員であれば誰でも参加できるよう、アライシップやインクルージョンについても考えました」

コアとなって活動しているメンバーは6、7人で、日本籍と外国籍の社員が半々くらいです。

「様々なメンバーがいるので意見交換も面白いですね。マイクロソフトは社員の国籍やバックグラウンドが多様だからこそ、各人の関心がある分野も多岐にわたっています。例えば、アメリカにルーツがある人はBLMの話題で持ちきりになっている間、他の人はまた他のトピックに関心が高かったりします。様々な背景を持つ社員たちがいて、また知識レベルも様々であるからこそ、他分野にもどう興味を持ってもらうか会議したりしています」

はじめは個々の思いが強く、方向性を揃えるのが難しく感じることもありましたが、今は纏まりや連携が取れるような環境が整えられています。人事の担当者や、様々なERGの代表者が話し合いに参加し、コラボレーションが生まれ、それぞれのテーマに関して流動性のある関係が保たれています。

社内イベント ‐ シニアリーダーとのファイヤーサイドチャットイベントの様子

 

様々なイベントに参加することで視野が広がる

 
最後に「自分らしく働く」を軸に仕事を選びたい、学生、第二新卒を中心とする求職者へのメッセージをお願いしました。

「D&Iに少しでも興味があったら、自分の視野を広げられるように、いろんなイベントに参加したり、いろんな会社の発信を見てみたりして下さい。自分もマイクロソフトでD&Iカウンシルに参加してからいろんな知識を得られました。それを通して新しい気づきや知識が得られ、自分らしく働ける場所が見つかると思います」

Pride Month社内イベントでの手作りクッキー