diversity works > 職場を知る > INでもOUTでもない。アクセンチュアが目指す平等の姿
Update on :2021.09.02

INでもOUTでもない。アクセンチュアが目指す平等の姿

市本真澄さん
アクセンチュア株式会社
テクノロジーコンサルティング本部 アソシエイト・ディレクター

社員を含むすべての人にとって平等な環境を構築することにコミットしている、アクセンチュア。特に、ジェンダー、LGBTQ、障がい者、クロスカルチャーのダイバーシティに関する課題に重点的に取り組んでいる。今回はアクセンチュアでInclusion&Diversityを推進する市本さんに、取り組みの背景や目指す姿をうかがった。

市本真澄 さん

アクセンチュア テクノロジーコンサルティング本部 アソシエイト・ディレクター


1998年大学卒(英文専修)。新卒でアクセンチュア入社。ハイテク企業を中心にシステム導入、運用保守を担当。一度退職し出戻りの経験あり。現在は、I&D推進担当として、特にDisability Inclusion(障がいのある方のインクルージョン)、ジェンダーの領域を担当している。

創意工夫は違いの摩擦から生まれる

昨年刷新されたアクセンチュアのパーパスは、「テクノロジーと人間の創意工夫で、まだ見ぬ未来を実現する」。テクノロジーと人間の創意工夫を融合させ、One Accentureでお客様へ価値を提供することを目指しています。

「多様性を尊重し認め合うことで、イノベーションが生まれると考えています。
そのためにアクセンチュアはInclusion&Diversity(以下I&D)に取り組んでいます」

違いを認め合うことで、いい意味での摩擦が生まれる。そこからより効果的な創意工夫が生み出される。アクセンチュアのI&Dの取り組みは経営戦略のひとつである。

イン/アウトがない真のイクオリティを目指して

I&Dへの具体的な取り組みとして、グローバルでは2025年までに男女比50:50にすることを掲げている。日本では、2006年にJapan Women‘s Initiatives(JWI)を発足(現在はGender Diversity Committe)。女性社員が最大限の能力を発揮して活躍できるよう、経営・人事・現場が一体となりさまざまな活動に取り組んでいる。2021年、日経WOMAN「女性が活躍する会社Best100」では、アクセンチュアは総合1位を受賞した。

「数値だけでなく本質として、真のイクオリティを目指しています。”In-clusion”は、インやアウトでなく、最終的な姿はそれぞれの個人が、互いにリスペクトされている状態です」

インやアウトという認識は、そもそもどこかに線を引いている。かといってすべてが一緒にされているというのも少し違う。ボーダーを取り払い、社員一人ひとりが自分らしく活躍できる、それがアクセンチュアの目指すイクオリティであり、それはアクセンチュアのコア・バリューの一つ”Respect for the individual”にも通じている。

マジョリティのように見える人の中にも見えないだけで、例えば介護の問題や過去の多様な経験など、さまざまなバックグラウンドを抱えている。その人のあるがままを尊重することが次に目指す姿だという。

ひとりで悩むことがないようセーフティネットをつくる

市本さんは新卒でアクセンチュアに入社したが、一度退職している。再びアクセンチュアに戻ってきてI&Dに携わるようになったのは、JWIが立ち上がった2006年からだ。

「新卒入社後、コンサルティングワークを数年経験しましたが、ずっと自信を持てずにいて、結局辞めてしまいました」

再度アクセンチュアに入社した際に、市本さんがキャリアに悩んでいたことを知っていた上司が、「他の人が同じ悩みを抱えないようサポートしてみては」と誘ってくれたことが、I&Dに関わりたいと思ったきっかけだった。

「自分の役割はセーフティネットをつくることだと思っています。性別や障がいの有無によって活躍の土俵にうまく乗れない、というのはもったいない。自信を持って働いてほしいので、既存の活躍パターンに囚われない、土俵を広げていきたいですね」

一度は退職し他社でスキルを磨くなどの挑戦をしたが、もともとアクセンチュアの風土は大好きであったという。

「特に変化のスピードは素晴らしいですね。例えば、私が新卒で入社した当時は”ワーキングマザー”の存在は考えられなかったのですが、復職して驚いたことは、出産後もコンサルタントとして働きつづけている女性社員が当たり前にいたことです」

市本さん自身も、現在は母親として子どもを育てながら働いている。また、最近では男性の社員や入社希望者からも育児や介護休暇など、ワークライフバランスについての質問を受けるようになった。

個人が参加しリードできるアクセンチュアのI&D

市本さんがアクセンチュアのI&Dの取り組みで良いなと感じるのは、会社や人事だけではなく社員個人も主体者として活動を進めていく姿だという。

「例えばLGBTQ領域の取り組みでは、当事者やAlly(理解者、支援者)の社員が積極的にイベントを開催したり情報発信をしています。その姿をみて、他の社員が安心したと言ってくれました。そのスパイラルを見ていると必要な人にリーチできているなと感じます」




また、さまざまなチャレンジをする機会があり、成長を後押しする文化もアクセンチュアの良いところだと話す。例えば、テクノロジーコンサルティング本部では、未経験でエンジニアを志向する障がいのある社員に対して、プログラミングのトレーニングを提供し、エンジニアへのキャリアチェンジと専門性の向上を支援している。

「色々なチャレンジができて嬉しい、という声が嬉しいですね。自分は〇〇だから…ではなく、やりたいことを自発的にできる場を提供することはとても大事だと思っています」

それでもいいですか?ではなく、さまざまな可能性を信じて挑戦を

最後に、「自分らしくはたらく」を軸に仕事を選びたい、学生、第二新卒を中心とする求職者へメッセージをお願いした。

「色々なことをフラットにして、あるがままで来て欲しいです。それぞれが抱えている特性や生きづらさなど、いろいろな想いがあると思いますが、”それでもいいですか?”ではなく、”あなたが持っているものがアクセンチュアでどう活かせそうか?”とお話しましょう。さまざまな可能性を持っているということを信じてください」