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Update on :2021.01.06

「誰もが働きやすい職場」であることを伝えられる喜び

松丸 誠さん/面 未希さん
ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人グループ
リクルーター/タレント アクイジション ジャパン

「転職前はバンドエイド®のイメージしかなかったが、『我が信条(Our Credo)』に感動して入社を決めた」という松丸誠さんと、「同業他社で働いていて外から見ていて、自分が成長できる会社だと感じて入社を決めた」面未希さん。現在採用担当をされているお二人にお話を伺いました。
 

松丸 誠(まつまる まこと)さん
ジョンソン・エンド・ジョンソン 日本法人グループ
リクルーター

2014年に中途で新卒採用担当として入社後、現在は障がい者雇用の採用担当へ。社内のLGBT&アライ*の社員グループ「Open&Out Japan」の立ち上げメンバーであり、自身のセクシュアリティを必要に応じて公表している。
 

面 未希(おもて みき)さん
ジョンソン・エンド・ジョンソン 日本法人グループ
タレント アクイジション ジャパン

2013年に中途でジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人グループの医薬品部門であるヤンセンファーマ株式会社に入社。MR(医療情報担当者)として勤務し、営業所長に。現在は、新卒採用担当。
 

「我が信条」(Our Credo)に魅力を感じて

 
本社入口に掲示されている「我が信条 (Our Credo)」
 
松丸さんは、チェーン居酒屋の店長職と内部監査、メーカーの営業職やシステム会社の人事総務職を経て、2014年にジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人グループ(以下J&J)へ入社されました。
「これまで働いていた職場では、何らかのサービスを提供し、それに対してお客様から感謝の言葉を頂戴してきました。大変働き甲斐を感じていたのですが、だんだんと「人が生きていくうえで必要な、無くてはならないサービスを提供したい」という思いに変化し、たどり着いたのがJ&Jでした。J&Jといえばバンドエイド®のイメージしかなく、医療用医薬品や医療機器の領域を扱っていること、また使い捨てコンタクトレンズのアキュビュー®シリーズがJ&Jの製品であることも知りませんでした。また、企業を調べている内に、人の健康と命に特化したサービスを130年以上にもわたり提供し続けている企業であること、そして企業理念である『我が信条(Our Credo)』を読んだ際に、自分が探していた企業はこの会社だと確信し、応募しようと決めました。Our Credoについては、第二次世界大戦の最中にこのようなものを作り、ステークホルダーという概念を作った、そんな会社にはきっとなにかがあるはず、と鳥肌が立つほどの魅力を感じたのを今でも覚えています」
「我が信条(Our Credo)」は1943年に起草されて以来75年を超える長きにわたり、全世界のJ&Jで大切にされている企業理念です。
「2018年にOur Credoの改訂があり、男性も女性も、という言葉が多様性という言葉に置き換えられるなど、その時代に即した表現や内容にこれまで4回の改訂がなされました。会社は社員への責任を果たすこと、公平な評価を行うことが明文化されていることに衝撃を受け、非常に魅力的だと感じました。これまで日系企業で働いていて、外資系企業はドライで結果を出さないと働いていけないというイメージがあったのですが、それでも挑戦してみようと思い、入社を決めました。実際に入社してみると、多くの方が他のメンバーと共に成長していこうとするマインドが備わっており、非常にサポーティブであること、また協働することによって、より良い結果を導き出そうとするスタンスの方が多くいることにより、入社前のイメージが一変しました」
 

自分を成長させてくれる会社

 
一方、面さんは他社でMRをしていたときに、同じエリアで出会うヤンセンファーマの同世代のMRを見ていて、営業スキルやリーダーシップで自分より優れていると感じていたそうです。
「精神科領域のリーディングカンパニーであるヤンセンファーマで統合失調症を学びたいという思いありましたが、以前から同じエリアで働いているヤンセンファーマのMRが気になっていたということも理由の一つです。この会社では営業のスキルだけではなく、人を成長させることに力を入れていると感じました。自分もこの会社ならもっと成長できるのではと思い、転職を決めました。」
入社後は周囲のサポートもあり、マネジャーに昇格し営業所長を経験しました。会社が自身の可能性を信じてアサインしてくれたと振り返ります。
「営業所長として4年間務めることができ、入社してからの7年は自分自身にとって貴重な時間となりました。入社前に数社経験してきましたが、ここまで人材育成に力を入れていると感じることはありませんでした。様々な観点で勉強する機会を与えていただいたと感謝しています。多くの方がサポートしてくれたことにより不可能だと思っていたことがやり遂げることができたこの貴重な経験を今度は新しく入ってくる人たちに伝えたいと思い、希望して新卒採用のポジションに異動しました」
 

根底に「我が信条(Our Credo)」があるからこそ

 
松丸さんは、J&Jに入社するまでは自身のセクシュアリティについてオープンにはしてきませんでした。しかし、入社したときに、田口さんの存在が心強かったそうです。田口さんは、セクシュアリティをオープンにしてLGBT&アライの社員グループ「Open&Out Japan」の発起人であり、現在はOpen&Out アジア・パシフィック地域の代表も務めている方です。
「職場全体にカミングアウトしているわけではないのですが、セクシュアリティについて聞かれたときに安心して答えられるのはこれまでの職場と比較して大きな違いだと感じています」
「我が信条(Our Credo)」では性別、障がい、国籍などは関係ない、差別しないと明言されており、その考えが職場の根底にあることが大きいと言います。松丸さんは田口さんたちと一緒に初期メンバーとしてOpen&OutというERG(Employee Resource Group)を立ち上げましたが、そのきっかけは他の製薬会社に勤めるLGBTQ当事者のご友人から聞いた話だったそうです。
「同じエリアを担当しているヤンセンファーマ(J&Jグループの医薬品部門)の方が、会社ではカミングアウトがしづらいと感じていると話していた、と聞いて、同じ会社なのに本社と地方の営業現場との差を感じて悲しくなったんです。本社の人事で働いていてこんなに働きやすい環境はないと感じていたのに、他の職場ではこんなに差があるのか、同じJ&Jグループの会社でこんなに違うのかと違和感を覚えていました。それから、何かできることはないかと思っていたところ、田口さんから海外でのOpen&Outの話と、日本でも立ち上げようとしていることを聞いて、ぜひやりましょうと即答しました」
2015年8月にOpen&Outを立ち上げ、現在では各メンバーが全社で啓発活動のイベントを企画・運営を行ったり、レインボージャーニーという地方の営業拠点での勉強会を開催したりと精力的に活動しています。特に部下を持つ営業マネジャーの意識にも変化が見られ、自分の営業所にも来て勉強会をしてくれないかとお声がかかることもあるそうです。
 
東京レインボープライドにて田口さん(中央)、Open&Outのメンバーと
 

多様性が身近に感じられるから

 
面さんは、営業職時代、32歳のときにマネジャーになったころのことを振り返ってくれました。
「ヤンセンファーマに勤めていなかったら、この年齢でマネジャーになることはなかったと思うんです。これも多様性を受け入れる環境だからこそだと思っています。年齢や性別などの要素を取り除いて今後の可能性に賭けていただいたのだと思います。たくさんの失敗を経験しましたし、迷惑もかけました。苦労することも多かったですけど、上司との定期的な面談において今の自分の現状を客観的に捉えることができたり、同僚の方からアドバイスをもらい仕事に反映させることができたりと恵まれていました。失敗から周囲を巻き込んでいくことの大切さを学んだり、時には弱音や本音を話す機会をいただいたり、多くの方がサポートしてくれたのでそれを支えに4年間やりきることができたと感じます。」
ただ、面さん自身はそのころはダイバーシティ&インクルージョン(以下、D&I)やERGの活動にあまり関心はなかったそうです。
「営業の現場にいたころは、地方の営業所配属だったこともあり、本社で行われるERGのイベントにはどこか他人事で目の前の顧客を優先し仕事を進めていました。しかし、人事の立場になってから、多くの人が活動に取り組んでいることを知り、関心をもつきっかけとなりました。最近ではオンラインで全国から多くの人がイベントに参加できるようになりました。以前は遠くのことでしたが、全社的にどこで働いていても好きな時に情報をキャッチすることができる環境となったと思います。多様性が社内に広がってきており、身近な自分事として感じられるようになりました」
 

安心してエントリーできるように

 
松丸様、面様ともに採用担当をされているとのことで、採用現場でのお話をお伺いしました。
「現在は障がい者採用を担当しています。身体・精神・発達などの様々な障がいをお持ちの方々がいらっしゃいます。障がいやセクシャルマイノリティーに不安を抱えていた方々が、疾患に対する啓発イベントに登壇されたり、またOpen&Outのイベントで当事者の声として参加されたりと、メインの業務とは別に活躍されている姿を見聞きするのは本当に嬉しく思います。
また、昨年まで新卒採用を担当していましたが、LGBTQ当事者の学生の方から相談を受けることもありました。年々、D&Iに対する感度が高い候補者の方が増えていると実感しており、J&Jのカルチャーを伝えることができることにもやりがいを感じています。時には採用担当として当事者ですとも言えますし、他に当事者はいますかと聞かれたときはOpen&Outの話もでき、環境が備わっていることもお伝えできるのが嬉しいです」と松丸さん。
現在新卒採用を担当されている面さんは、「新卒採用を担当していますので学生にお会いする機会が増えて、悩んでいる当事者がいるということを初めて知ることができました。これまで生きてきて知らなかったことを、学生さんから教えてもらっています。当事者だけどエントリーできますかというお問い合わせもいただきますが、私たちは、どんな方でもお待ちしていると伝えています。自分らしさを求めた時に受け入れてくれる企業なのか不安があっての質問だと思いますので、私たちとしてもまだ改善できる点はあると思っています。例えば、エントリーシートの性別欄に「その他」を設けています。小さな取り組みだとは思いますが、そういうところから始めていきたいと思っています」
 

自分の軸を持って

 
(面さん)「自分らしく、自分が何をしたいのか。その結果としてJ&Jが選択肢の一つとなれば嬉しいです。世の中は変わってきていますのでチャレンジしてみたいと思える会社はあると信じています。私たちもERGの活動を含めて、誰もが安心して働くことができ、活躍できる環境を作るために頑張っていきます。」
(松丸さん)「働き甲斐を感じられる職場はきっとあります。どんな人たちとどのような環境で、どんな仕事をして働きたいという軸を持って、積極的に情報を取りに行けば、自分にフィットする職場は必ずあると思います。自分から積極的に踏み込んでいってください」
最後に、お二人から読者へ、力強いメッセージをいただきました。