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Update on :2024.10.22

グローバル企業から学ぶお互いを尊重し合うことの大切さ

浅井 公広さん/ルイ リウさん
日興アセットマネジメント株式会社
リスクマネジメントグローバルヘッド・常務執行役員/テクノロジー・ソリューション部運用システムグループ

世界各地の拠点と、約30の国籍からなる多様な人材を有する日興アセットマネジメント(以下日興アセット)。2025年の9月に商号を「アモーヴァ・アセットマネジメント株式会社」に変更すると発表し、この商号の変更には、グローバルビジネスの更なる成長を目指すという決意が込められていると言います。

今回お話を伺ったのは、そんなグローバルな環境で働く浅井さんとルイさん。お二人には、日興アセットの社員であるという他に「転職組」「LGBTQグループに所属」という共通点があります。アジアを代表する資産運用会社は、お二人の目にどう映ったのでしょうか。



浅井 公広さん(写真左)
日興アセットマネジメント株式会社
リスクマネジメントグローバルヘッド・常務執行役員

2006年に日興アセットに入社。経営会議メンバーの1人としてリスクマネジメント部門を担当する傍ら、ジャパンLGBTQグループのエグゼクティブスポンサーを務める


ルイ リウさん(写真右)
日興アセットマネジメント株式会社
テクノロジー・ソリューション部運用システムグループ

2018年に日興アセット入社。運用関連のシステムの構築やベンダーシステムの管理など、IT部門を担当する。ジャパンLGBTQグループメンバー


私がカミングアウトできた理由


浅井さんもルイさんも、転職して日興アセットに入社したと伺いました。まずは、それまでの経緯を教えてください。

浅井さん「私が日興アセットに入社したのは、2006年のことです。それまでは日系の金融機関や商社で働いており、途中でアメリカに留学していた期間もありました」

ルイさん「私は2018年の10月頃に日興アセットに入社しました。日興アセットに入る前は、日本のIT企業で勤務をしていました。中国にいた頃は、証券会社で働いていました」

お二人は日興アセットのどんなところに惹かれ、転職を決意したのでしょうか。

浅井さん「以前働いていた職場はどこも日本企業で、日本的なカルチャーを持っていました。日興アセットも日系企業ではありますが、入社当時のCEOがアメリカ人で、人種国籍も多彩でした。日本に本拠地を置きながら、グローバルで多様な雰囲気な会社だと感じ、惹かれていきました」

ルイさん「私が転職先に求めていたのは、キャリアアップです。これまでの勤務経験を活かすため、IT分野に絞って転職活動をしていました。日興アセットに入社したきっかけは、エージェントからの紹介です。日興アセットなら、ITだけでなく証券会社での勤務経験も活かせると思い応募しました」

「面接が印象深かった」と、ルイさんは当時を振り返ります。

ルイさん「6年前のことなので具体的な内容は思い出せませんが、仕事以外のこともたくさんお話ししたことを覚えています。日本語でも話したし、英語でも話しました。居心地の良い雰囲気で、リラックスして臨むことができました。自由に発言できる社風を感じたし、ここなら自分らしく働けると感じました」

実際に入社してみて、社内の雰囲気はいかがでしたか。

ルイさん「自分の仕事はIT分野ですが、実際には社内のユーザーや同じグループのメンバーとコミュニケーションする機会が多くあります。会社の中にはさまざまな国の社員がいて、文化や価値観の違いに驚かされることもありますが、お互いが尊重し合えているので、違うことが面白いし、勉強になります。コロナ前は、毎日チームメイトや同僚とランチをするのが楽しみでした。会社制度で、出社と在宅の両方を活用して働くことができるのですが、私自身今は、基本的に在宅勤務をすることが多く、都心を離れ、自然豊かな環境で仕事をすることができています」

浅井さんはエグゼクティブスポンサーとして、ルイさんはメンバーの1人として、LGBTQワーキンググループで活動しています。このグループの存在も、ルイさんの心の支えになっていると言います。

ルイさん「前の職場では、自分が当事者であることをカミングアウトしていませんでした。日興アセットでカミングアウトできたのは、会社の中にLGBTQグループがあることで、勇気をもらえたからです。ある日同性のパートナーと交換した指輪をして会社に行ったところ、一緒に働くITグループの部長から『結婚したの?』と聞かれて。そのときに自分がゲイであることをカミングアウトしました。そうしたらなんとその部長が、LGBTQグループのリーダーだったんです。『メンバーに入らない?』と言われて、すぐに参加を決めました」

浅井さん「ルイさんが入社したのは、ちょうどLGBTQをはじめとしたワーキンググループが発足した時期でした。日興アセットには『アイデアジェネレーションフォーラム』という制度があります。これは全社員誰でも、自分のポジションや仕事内容に関係なく、『こうしたらもっといい会社になるんじゃないか』『こうしたらもっと社員が働きやすくなるんじゃないか』というアイデアを出せるというものです。そこでワーキンググループというアイデアを出したのが、当時ルイさんの部署の部長であった赤尾さんという方でした」

「ダイバーシティ&インクルージョンの推進は、我々の会社の永続的な発展において欠かせないもの」と浅井さん。現在日興アセットには様々なワーキンググループが存在しますが、赤尾さんが発案したLGBTQグループは、その第一号として誕生しました。

浅井さん「赤尾さんは本当に心の優しい方なんです。日興アセットやこれまで経験した職場で色々な方と接する中で、マイノリティとして苦しんでいる方の気持ちを真剣に受け止め、何かできることはないかと思って提案したのだと思います。発足当初はまだ『LGBTグループ』と呼ばれていて、数年前に『LGBTQグループ』となりました。名前は変わりましたが、コアメンバーや、グループの思いは一貫して変わっていません」

浅井さんがLGBTQグループのエグゼクティブスポンサーというポジションに就いたのも、赤尾さんがきっかけだったのだそう。

浅井さん「2021年の4月に、役員の担当部門の変更があり、私と赤尾さんが一緒に仕事をすることになったんです。そのときに赤尾さんから『LGBTQグループのエグゼクティブスポンサーをやっていただけないか』と依頼されました。正直当時の私はまったくの不勉強で、自分に務まるのかという不安はありました。それでも赤尾さんの熱意に動かされ、その話を受けることにしたんです」



受動的から能動的になることが大切


エグゼクティブスポンサーになって3年半になるという浅井さん。就任前と就任後でご自身の心境に変化はありましたか。

浅井さん「LGBTQに対して理解が進んでいるアメリカに留学したことも、勤務したこともあったので、元々性的マイノリティの方々に対して偏見などはないつもりでした。ただそれはあくまでも自分の心の中の話で、このグループに出会うまでは、積極的にアライ活動をしたことはありませんでした。そんな中で2021年にエグゼクティブスポンサーになり、初めて東京レインボープライドのパレードに参加しました。歩いていると、沿道から手を振ってくれる方がいるんです。これは推測かもしれませんが、我々の思いや活動に感謝してくれているんだなと感じました。自分は偏見を持っていませんよ、で終わってしまうのではなく、自分から輪を広げ発信していく。それがいかに大切なことなのかを感じました」

「私自身にもそういった心境の変化があったし、社内でも輪が広がっている実感があります」と浅井さんは語ります。

浅井さん「今年の3月から『日興AMアライネットワーク』というアライプログラムがスタートしました。現時点で、90名前後の方に表明いただいています。この輪をさらに拡大していきたいですね」

LGBTQグループとしては、他にどんな活動をされているのでしょうか。

浅井さん「我々は三井住友トラストグループの一員です。昨年は東京レインボープライドに、日興アセットだけではなく、トラストグループの方達と共同で参加しました。グループ会社の中でも、LGBTQに関して先進的な取り組みをされている三井住友信託銀行・渋谷支店の方を弊社にお招きして、勉強会をしたり、他にも当事者の方をお招きして講演やトークセッションを定期的に開いたりしています。LGBTQをテーマにした映画の上映会もしていますね」

ルイさん「私はほとんどのLGBTQ関連の社内イベントに参加しています。私はLGBTQの当事者ですが、G以外について知ることができてとても勉強になっています。そしてやっぱり、東京レインボープライドパレードに参加したことは私の中でも一番印象的でした。沿道の皆さんが笑顔で手を振って『HappyPride』と声をかけてくださって。自分が応援されているようで、すごく感動しました」


今後、LGBTQグループとしてどんな活動をしていきたいですか。

浅井さん「今回のように、我々の活動をもっと社外に発信していきたいと思っています。それを見て『そんな会社だったら入ってみようかな』『そんな会社だったら見てみたいな』と思っていただけたら、とても嬉しいですね。日興アセットの商品は、個人の投資家にも広くご愛顧いただいております。我々がどういう会社なのか、どういう思いを持っているのか、社会やみなさんに何を伝えたいのか。それをご理解いただくということは、我々の会社や商品、サービスを末長く受け入れていただく上で、とても重要なことだと感じています」

ルイさん「『日興AMアライネットワーク』がスタートしましたが、やはりもっと会社のアライを増やしたいと思っています。当事者でも当事者でなくても、お互いを受け入れ、お互いから学び、お互いを尊重し合うことがとても大切だと思っています」

では最後に、この記事をご覧の読者の皆様に、お二人からメッセージをお願いいたします。

浅井さん「自分らしく働く。それを大事にしたい方にとって、日興アセットはピッタリの会社です。日興アセットには、色々な人種、国籍、バックグラウンド、属性を持つ方が集まっています。お互いが尊重しあい、一緒チームを作っていくことを、皆が非常に大切なこととして心がけています。ユニークで暖かい会社なので、是非日興アセットに興味を持っていただければと思います」

ルイさん「色々なことを経験して、本当にやりたいことを見つけ、失敗を恐れずにチャレンジしてもらいたいです。会社は働く場所ですが、それだけではありません。社会課題を知り、考えて、行動する。キャリアアップだけでなく、人間としての学びや成長の機会を得られる場所でもあります。皆さんが、それを叶えられる会社に就職できることを願っています」