Environment(環境)、Empathy(共感)、Edge(尖り)、Economics(事業性)を重視し、サステナブルな経営を目指しています。多様な人財の活躍を実現するダイバーシティ&インクルージョン(以下、D&I)にも積極的に取り組み、挑戦し続ける同社のD&I担当のおふたりにセガサミーグループの社内風土や取り組みについて伺いました。
石田 達也さん(写真右)
サステナビリティ推進室
大学卒業後、陸上競技(長距離)の実業団チームに入社。女子チームのコーチとして活躍後、陸上部を創部するサミーに入社。セガサミーホールディングス設立後転籍、その後は総務部門に所属。株主総会をはじめ総務部門のほぼすべての業務に携わる。2021年3月より現部門所属。社外からの調査関連の対応(ESG、SDGsに関するデータの回答など)や、社外への発信(データブック作成など)に携わる。
石井 優貴さん(写真左)
サステナビリティ推進室
大学卒業後、保険会社、アパレル、飲食店を経てセガサミーホールディングスへ。現在のサステナビリティ領域のほか、リゾート企画開発部門も経験。現在は、社外へのサステナビリティ活動周知(発行物やHPの制作など)や、社内でのサステナビリティ意識啓発活動(イベント企画、運営など)を担当している。
人との違いや新しい価値観を
受け入れ合う文化が根付いている
石井さん「当社は多様性を当たり前とする文化を目指し、ダイバーシティ経営の推進を重要課題としています。人財を大切にし、新しいものを受け入れる土壌が根付いているためか、私が入社した5~6年前には男女や転職組といった、バックグラウンドの違いによる差を感じさせない、居心地のいい空気がありました」
入社当初から同社の中にある、多様性を受け入れるのびのびとした空気を感じていたという石田さんと石井さん。お二人の実感値として、社内のD&Iがより活発になったと感じるのは3~4年前に働き方改革が始まったころからだといいます。
多様な人財が自分らしく活躍できる環境づくりを推進していくうえで、軸となっているのは、2020年に定めた、「グループとして取り組むべき5つの重要課題(マテリアリティ)」。その中の「人」という項目では、『多様な人財が働きがいを持って活躍できる環境を作り、創造性豊かな企業風土を形成していくほか、ダイバーシティを当然のこととし、人権の尊重と差別の禁止、弱者保護による不平等の排除を徹底します』と謳われています。
石井さん「人がいるからこそ会社は動いていく。人を大事にしていることを明文化することはD&Iに対する会社の強い意志を表すことに通じると考えています」
人を大事にすることが
よりよい社会づくりにつながっていく
セガサミーホールディングスのD&Iの歴史は、設立の翌年に発足したCSR推進室から始まります。時代とともに「CSR推進室」や「CSR・SDGs推進室」と名称を変え、2021年度からは「サステナビリティ推進室」に。
石田さん「世情や価値観の変化とともに、CSRだけでは言い表せないものが増えてきているんですよね。発足当初は社会貢献やコンプライアンスの問題がメインだったそうですが、近年では事業戦略・人事戦略と紐づいた、すべてのステークホルダーからの期待に応えるESGを重視したグループのサステナビリティを推進する役割を担っています。サステナビリティ推進室になったのは、グループ内の改革だけではなく、グループミッションを軸とし、社会と企業の持続的成長を事業を通じて進めていこうという、スタンスの表れでもあると思っています」
柔軟かつ真摯な視点で、年々進化を続けるセガサミーホールディングスのD&I。ここ数年の取り組みを振り返るだけでも、多様性を活かそうとする想いの強さがひしひしと感じられます。
石井さん「たとえばLGBT関連ですと、LGBTに関する基礎知識を学ぶためのe-ラーニングや社内講演会の実施、外部相談窓口の設置、同性パートナーを配偶者と同じ扱いとするなどの各種制度の改定、『ビジネスによるLGBT平等サポート宣言※1』への賛同などのほか、社員の共感を得られるような様々なセミナーやイベント、キャンペーンを展開しています。
障がい者支援では『The Valuable 500※2』への署名や、彼らが持つ可能性の広さを知ってもらうためのイベントの企画。障がい者アートの展示販売会や、セガサミー文化芸術財団による視覚障がいのある方とダンスとの新しい味わい方を探求するプロジェクト立ち上げなどを行いました」
※1日本におけるLGBT平等法の導入を支持し、性的指向や性自認に基づく差別を禁止して、誰もが平等に扱われるインクルーシブな環境・社会づくりを目指す宣言
※2 2019年1月にダボス会議で発足。障がい者が社会、ビジネス、経済において活躍し、潜在的な価値を発揮できるような改革を、世界500社のビジネスリーダーたちが声を上げて起こしていこうという考え方。
石田さん「人種差別反対の意思表明も、私たちの使命のひとつ。反人種差別運動『Black Lives Matter』が広がった2020年にはグループ会社のSega of America,inc.が黒人差別に反対する声明をツイート。翌年に起きたアジアヘイトクライムに対してもSega of America,inc.とセガサミーホールディングスが、すべての人種差別や暴力の根絶を支持する旨の声明を発信しています。世界中に製品・サービスを届ける企業グループとして、多様性を認め合う社会の実現へ貢献したいと考えています」
自分のため、誰かのため
一歩踏み出すきっかけを作りたい
D&Iの土台となるグループ内の啓発活動を行ううえで意識しているのは、「すべての従業員に新しい一歩を踏み出してもらうための取り組みを仕掛けていくこと」(石井さん)。
石井さん「まずは、当事者の方が自分から行動を起こしたいと思ってもらうための後押しに。同時に当事者以外の方にも、D&Iを自分事として考えるきっかけにもつなげていけたら」
そのための意識の醸成および、理解を深めるために行われたのが、同グループ初となる「セガサミー サステナブルウィークス」。役員研修や全グループ従業員を対象とした様々な研修・講演会のほか、ミニパラコンサートなどのイベントや外部カンファレンスへの参加など、全17のコンテンツが約2週間にわたって執り行われました。
石田さん「同イベントを通じて感じたのは、D&Iに深い関心を持つ方が増えているということ。特にいい兆しだと思ったのが、アライ(理解者)ストラップのプレゼント企画。『アライになってくれる方は応募してください』と呼びかけたところ、300人近くの方から応募があったんです。理解を示してくれる方がグループ内にこんなにたくさんいる。我々推進室のメンバーにとっても大きな励みになりました」
手ごたえを感じる一方で、見えてきた課題もあるといいます。
石井さん「セガサミー サステナブルウィークスで行った講座の動画を、社内グループのイントラネットで2週間ほど公開し、多くの方にご視聴いただきましたが、もっとサステナビリティの重要性を感じていただけるよう、より多様な手段のアプローチを設けていく必要があると考えています。
一人ひとりの働きやすさをサポートする制度はあるのに、利用者が少ないことも懸案事項のひとつ。『あえて言わない』というのならまだしも、『言いたいのに理由があって言い出せない』という方もいるかもしれない。そこのハードルをどのように下げていくかについても、これから考えていかなければいけないところです」
今後の目標を伺うと、「数字では言い表しにくいので、少し抽象的になってしまいますが」と石井さん。「究極のゴールは、D&Iという言葉がなくてもいい社会にしていくことだと、推進室のメンバーは思っています。LGBTや多様性という言葉がいらなくなって、『みんなそれぞれ違うのが当たり前だよね』という会社の風土が作られて。最終的には私たち推進室の存在が不要になる。ちょっと寂しい気もしますが、そんな日が早く訪れるようにこれからも様々な社会課題に向き合っていきます」
サステナブルウィークで希望者にプレゼントしたアライストラップ。告知用のWEBページでは「アライとはどういうものか?」という説明にはじまり、アライと表明してもらうことが当事者にとっていかに心強いことであるかが伝えられた。
最後に、「自分らしく働く」ことを軸に仕事を選びたい、学生、第二新卒を中心とする求職者へのメッセージをいただきました。
石田さん「セガサミーグループは、フレックスタイム制とか、コロナ禍でコアタイムも撤廃して、時間的にも自由に働ける企業。テレワーク制度もあるので自分の時間を作りやすいです。自由な空気のあるグループなので、自分らしい働き方を大切にしたい方にもオススメの職場かと思います」
石井さん「就職活動は大変なものだと思いますが、あなたの個性を『素敵だね』と言ってくれる会社に入社してほしいです。これまで転職の多かった私が当社で定着して働けているのは、『あなたのココがいいところです』という空気の中で、のびのびと育ててもらえたおかげ。当社はやりがいをもって働けるだけでなく、人をすごく大切にしてくれる会社なので、興味を持たれた方はぜひ見学にいらしてください」
企業情報:セガサミーホールディングス株式会社