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Update on :2020.10.22

接客が基本の「小売り」を出発点に、培われてきたD&Iの企業風土

沓澤 優子さん/王 暢さん
株式会社丸井グループ
サステナビリティ部/新規事業プロジェクト部

2006年に入社し、出産・育児の支援制度を利用して、現在、6歳の子どもを育てながらサステナビリティ部で働いている沓澤優子さんと、中国出身で2019年4月に入社した王暢さんに、就職活動で重視していたポイントや、丸井グループの企業風土などについてお話を伺いました。
 

沓澤 優子さん
株式会社丸井グループ
サステナビリティ部
ダイバーシティ&インクルージョン担当

6歳1児のママ。短時間勤務制度を利用し、日々育児と仕事・家事に奮闘。慌ただしくも楽しい毎日を送る。

王 暢さん
株式会社丸井グループ
新規事業プロジェクト部

2014年来日。大学院卒業後2019年入社。中国籍である自身のグローバル力を活かしながら新規事業立ち上げの部署にて勤務。
 

就活で重視したポイントは社員の人柄と安心感

 
2006年に入社し、現在、短時間勤務制度を利用して6歳の子どもを育てながら、サステナビリティ部でダイバーシティ&インクルージョンを担当している沓澤優子さん。そして、2014年に来日して大学院で経済学を学んだ後、2019年4月に入社した王暢さん。ご自身の就職活動において、重要視していたポイントはどんなところだったのでしょうか。

沓澤「所沢市近郊の出身で、子どもの頃から、丸井所沢店(2007年閉店)によく買い物に行っていました。ちょうど就活の時期に訪れたところ、そこに素敵な社員の方がいらっしゃったんです。私のライフスタイルや、着ていきたい場所や状況などについて楽しく会話しながら、同じ目線で寄り添って、こういう服はどうでしょうかと提案してくれて、とても印象に残りました。この方のような人がいるような会社で一緒に働けたら、きっと楽しいだろうなと思って受けてみました。すると面接官の方々も皆さん優しく素敵な人で、結果、入社することになったわけですが、感じていたとおり、親身になってくれる人たちが多くいる職場でした。何をやりたいかも大事ですが、一緒に働きたいか、自分が楽しく働けるかなど、社員の人柄に重きをおきました」

王「二つポイントがありました。出身地の天津の大学で日本語を学び、その後、日本の大学院で経済学を学びました。日本で就活するにあたって、小売業に携わっている企業を中心に説明会に参加していました。その中でも丸井グループは、小売以外にも保険やフィンテックなどいろいろな事業を行っていて、自分が今まで勉強したことを活かせると思ったのが一つ目のポイントです。もう一つは、安心感でした。外国人として、日本人と一緒に面接を受けていたのですが、その時に、人事担当の方たちが直接フィードバックをしてくれたんです。細かいところまで気を配ってくれていると感じ、安心感を得ることができました。他社ではそのようなことはなかったので、とても強く印象に残りました。入社後も、言語の壁はありますが、先輩たちが優しくサポートしてくれています」
 

育児中でも外国人でも、安心して働ける企業風土

 
沓澤さんは、出産・育児休暇の後、復職し、現在は短時間勤務制度を利用して、子育てしながら働いています。制度が整っていることはもちろん、丸井グループの企業風土が働きやすさにつながっていると言います。

沓澤「弊社は、子どもが3歳になるまで育児休職することができます。それまでの期間に、保育園に入るタイミングなど、個々の状況に合わせて、復職する時期を決めることができます。私は子どもが2歳になる前まで休みました。また、小学3年の期末まで、育児のための短時間勤務ができ、ちょうど今、その制度を使っています。私は、朝10時から16時20分までの勤務にしていますが、30分単位で勤務時間を自由に選ぶこともできます。そして何より、制度はもちろんですが、周りの社員の方々の理解もあると感じています。例えば、子どもが急に熱を出してお迎えが必要になったときなどに、どこの部署にいても、嫌な顔ひとつされることなく、フォローしてもらえるんです。それは女性だけでなく男性社員が子どもの病気などを理由に早退しても同じなんです。弊社の企業風土と言っていいと思うのですが、それがしっかりと根付いていると思います」

お子さんと過ごす沓澤さん

王さんは、入社してまだ1年半ですが、会社の雰囲気について、どのような印象を持っているのでしょうか。

王「入社後、まずは新宿の店舗に配属されました。外国人なので、日本の企業に慣れない部分もありましたが、上司や先輩が優しく指導してくれました。LGBTQの方や障がい者の方もよく来店されていましたが、店員のみなさんの接客はとても自然で気配りができていて、多様性を尊重する企業文化がきちんと根付いているなと感じました。また、ひとりの店員としても、とてもコミュニケーションがとりやすい売り場でした。その後、本社に異動し、当初は、自分がどのような動き方をすればいいのか戸惑いもあったのですが、上司に相談すると、とても的確なアドバイスをしてくれて、それ以降は緊張や不安がなくなって、安心して働けるようになりました」


 

「小売り」の基本、接客が原点

 
丸井グループのサポーティブで多様性を尊重する企業風土は、どのようにして培われてきたのでしょうか。

沓澤「小売業からスタートしていることが大きいと思っています。1931年に創業し、2021年で90周年を迎えるのですが、社訓として『すべて汝がことなれ』があります。元はアメリカの鉄鋼王・アンドリュー・カーネギーの言葉です。すべてのことが自分の身につき、自分のためである。お客様のことも自分のことのように常に考える。また、社員のことも自分の家族のように考える。それらすべてが自分のためになるというわけです。ですが、その言葉があるからというわけではなく、いろいろなお客様と接していく中で、一人一人に対して何ができるだろうかと、社員一人一人が考えて行動しているところ、そこが出発点だと思います。そして、お客様に限らず、社員に対しても共に働く仲間として同様に接していく。お客様にも社員にも一人として同じ人はいないわけで、そんな経験の中で多様性を尊重する風土が醸成されてきたんだと思います。原点は、小売り、対お客様。ですので、弊社では、入社すると必ず、少なくとも半年は店舗に立つんです」

王「弊社のミッションは『すべての人が「しあわせ」を感じられるインクルーシブで豊かな社会を共に創る』です。社員みんなが、このミッションに共感しているので、とてもコミュニケーションがとりやすい職場だと思います。また、『共創』という言葉がよく出てきます。接客するお客様との関係は、単に物を売るだけのものではなく、お客様と共に進化していくことが大切だと思っています」

九州レインボープライドにて記念撮影

 

D&Iの取り組みのこれから

 
D&Iの担当者として、会社の理念やミッションに沿って、今後、どのようなことに取り組んでいきたいと考えているのか、沓澤さんに聞いてみました。

沓澤「大きく、二つあります。まず一つ目は、私たちは、自分の会社だけですべてのことができるとは考えていません。一つの企業ができることは、限界があるんですよね。だからこそ、同じ志を持った企業や団体、あるいは個人でもいいんですが、そういう方たちと手を取り合って、一緒に何ができるのかを共に考えながら、D&Iを推進していければと考えています。まだ漠然としてはいますが、弊社の理念にある『共創』にも通じるところですし、サステナビリティにもつながっていくのだと思っています。もう一つは、社内においてなんですが、王さんのような外国人の方、あるいは障がい者やLGBTQの方といったさまざまな属性の人たちが、もっと社内に増えてほしいんです。例えば、そのための人事配置であるだとか、他の部署も交えて取り組んでいければと思っています」

最後に、読者の皆さんへメッセージをお願いします。

沓澤「自分にとって、いちばん安心して働けそうだなとか、楽しく働けそうだなとか、そういう直感って、意外と当たっていたりするものです。そこを信じて、企業説明会や面接など企業との接点の中で少しでも疑問や不安を感じたら、一度自問自答したり、先輩社員の話を聞いてみたり、確認していく作業を自分なりにやってみて、納得できたかどうか判断することが大事だと思います。そのためにも、いろんな企業のいろんな社員さんをつかまえて、たくさん話を聞いてみてください」

王「私の就活の経験からですが、企業を選ぶときに、まず大切なのは人間関係です。人事担当者の人柄だとか、会社の風土などを確認してみるといいと思います。次に、自分を成長させてくれる会社かどうかということです。私には言葉の壁がありますが、それを超え、前向きに、自分を成長させてくれると思える企業を選びました。皆さんもご自身を成長させてくれる企業を選んでください」