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Update on :2021.09.06

一人ひとりが自分らしくはたらける社会へ――。 「はたらいて、笑おう。」実現に向け、DI&Eを推進

大場竜佳さん/山崎涼子さん
パーソルホールディングス株式会社
グループ人事本部

「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンに、人材派遣の「テンプスタッフ」や転職の「doda」、ITアウトソーシングや設計開発など様々なサービスを展開し、多様化するはたらく人の価値観に寄り添い、一人ひとりが自分らしくはたらける社会を目指す、パーソルグループ。
同グループではDiversity Inclusion & Equality(以下DI&E)を推進。その一環として柔軟な働き方支援制度の導入を図るとともに、社員向け研修やイベントなどを通して、多様な属性・価値観・能力を持つ社員一人ひとりの可能性を、最大限に生かすことに取り組んでいます。今回は同グループ人事本部大場竜佳本部長と人事企画部山崎涼子部長にDI&Eに取り組む背景や今後の抱負などをおうかがいしました。


パーソルホールディングス株式会社 グループ人事本部
本部長 大場竜佳さん(上)
人事企画部 部長 山崎涼子さん(下)


大場さんは金融業界を経て、「急成長を続けていた人材派遣業で、自分の力を試したい」と思い株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア株式会社)に転職。一方、山崎さんは、2008年に株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア株式会社)に入社し、現在まで一貫して人事領域を担当してきました。現在は、二人ともグループ人事本部に所属し、DI&Eを推進する役目を担っています。
 

多様性を生かし新たな発想やイノベーションを起こす

 
「はたらいて、笑おう。」が同グループのビジョン。

パーソルグループがDiversity, Inclusion & Equality(以下DI&E)への取り組みを開始した2019年、同グループの社員数は国内外で3万人を突破。異なる文化や背景を持つ社員が増え、お互いの価値観や強みを理解することや、グループ会社間で活発に交流や異動をするなどの必要性が高まっていたそうです。
「それ以前は、各社それぞれでダイバーシティに関する取り組みを実施していましたが、パーソルグループとして横断的に取り組むべきと考え、各事業会社からプロジェクトメンバーを募り、ビジョン実現に向け具体的な取り組みに着手しました」と語るのは大場人事本部長。
「グループ横断で多様な人材やその能力を融合させることで、既存サービスの強化や新たな発想やイノベーションにつなげるべきというのが、その根本的な考えです。基本的な思想、ポリシーは経営陣で議論して決めました。総論として反対の声は上がらず、積極的に取り組んでいくことになりました。」(大場人事本部長)

同グループでは、DI&Eに対して社内外の理解を促進するため、DI&Eの専用Webサイトをオープンしたほか、年に1回全社員を対象に必須でeラーニング研修を開始。研修の満足度も高く、年々社員の理解度が深まっていることを肌で感じているそうです。
「これらの取り組みを通じて、多様なはたらき方、多様なキャリア支援を行うことで、社員一人ひとりの活躍と組織の活性化をさらに促進し、グループビジョン『はたらいて、笑おう。』の実現を目指しています」と人事企画部山崎涼子部長は語ります。

 

社員一人ひとりが自ら考えて選択する

 
そうした中で、2019年4月より開始された「複業制度の導入」「ドレスコードの原則自由化」「フレキシブルワークの推進」にはどんな狙いがあったのでしょうか。
「第一に多様な働き方の促進。第二に多様なキャリアの選択支援です」(大場人事本部長)
例えば「ドレスコードの原則自由化」については、社員が自律的に合理的な服装を選択し個々の自覚を促すことにより生産性を上げ、多様な働き方の促進をすることが目的ですが、反対意見がなかったわけではありません。
「ドレスコードを自由化するとお客様に不快感を与えるのではという意見がありました。自由化の基本方針は“信頼を得られる身だしなみであること”とし、顧客や外部関係者との信頼関係構築につながるような服装や身なりを自律的に考えてもらうように促しています。結果、懸念していたようなことは起こらず快適に仕事に向き合える機会が提供できていると思います。」(山崎人事企画部長)
「複業制度の導入」も、社員一人ひとりの自己実現や経験・価値観・スキルの社会還元などを目的にしたもので、まさに多様な働き方を推進する施策といえます。
「会社への申請・承認は必要ですが、現場では積極的に複業を応援する風土が根付いてきており、複業を通じて得られた知恵が、当社にとってのビジネスチャンスにつながると前向きに捉えています。キャリア形成という面でも、従来が単線的な一本道だったとすれば複線的なキャリア形成を、社員一人ひとりが考えたうえで選択できるようになりました」(大場人事本部長)
多様なキャリア支援という点では、女性管理職の比率アップや社員向け研修・イベントを通じ、ライフイベントとの向き合い方、管理職着任への不安払拭なども実施しているそうです。
「企業風土醸成は目に見えないので、非常に難しいのも事実です。だからこそ“学び”の機会を提供し続けていくのが重要だと考えています。おかげさまで研修・イベントの満足度も高く、徐々に前に進んでいる感覚はあります」(山崎人事企画部長)

 

一人ひとりが自分らしくはたらける社会をつくるため、共に行動する多様な力を

 
DI&Eに取り組む過程で、変化の兆しが徐々に見えているそうです。
「DI&Eの社内風土を醸成するための有志団体が、グループ内にいくつも生まれ始め、勉強会やイベントを自分たちで企画・開催するようになりました。テーマは、女性活躍、LGBT、男性育休、複業、健康、介護との両立、など毎回、各グループが様々な内容を取り上げています。それぞれのテーマを持って活動し、時にはお互い連携しながらやっている姿を見ると、実に頼もしく感じます。こうしたボトムアップ式の活動が生まれ育っているのは、本当にうれしいです」(大場人事本部長)
こうした変化は、現役社員だけでなく就職活動中の学生の間にも起きているそうです。
「学生向けの会社説明会などで服装の自由化や複業について質問を受けたり、フルリモートワークについて詳しく説明を求める学生も増え、好意的に受け止めてくれていることを実感しています」(大場人事本部長)
同グループのDI&E活動はボトムアップ式の活動も盛んになり、新たなフェイズを迎え、大場さん、山崎さんはじめとするDI&E に携わるメンバーの皆さんのさらなる活躍が期待されています。そんなおふたりから、読者の皆さんにメッセージをいただきましたので、ご紹介いたします。
「DI&Eは社会全体で取り組むべきことだと思います。だからこそ、これから社会に出ていこうとする学生の皆さんにも、ぜひ興味を持ってほしいと思います。『自分らしくはたらく』ことを軸に仕事選びをするのも大切なポイントではないでしょうか。ひとりでも多くの方が『はたらいて、笑おう。』のグループビジョンのもと集まっていただければ幸いです」(山崎人事企画部長)
「東京2020オリンピックは、男女混合のチーム競技が増えたり、10代前半の若者がメダルを取ったり、身近なところで多様性を感じられた大会だったと思います。社会全体が大きな変化を迎える兆しのみえる年になる予感がしています。これから社会に出る学生の皆さんには、この社会の変化を絶好の機会と捉えてほしいです。世界をよりよい場所にしていくために一緒に頑張りましょう」(大場人事本部長)