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Update on :2022.10.14

人が価値の会社。一人一人が発揮する価値の総和が私たちの提供価値

松本紗代子さん
キンドリルジャパン株式会社
ストラテジックアライアンス事業部

2021年9月に日本IBMから分社独立する形でキンドリルジャパンが発足。
キンドリルは、コロナ禍において、約9万人規模の会社を短期間で立ち上げた世界最大規模のスタートアップ企業。
そのキンドリルジャパン立ち上げメンバーの一人である松本紗代子さんにお話を伺いました。

松本紗代子さん
キンドリルジャパン株式会社
執行役員



新卒で日本アイ・ビー・エムに入社し、グローバルな事業を統括するポジションを複数歴任。2021年、キンドリルジャパン発足に際し、ストラテジックアライアンス事業部の事業部長に就任。インクルージョン、ダイバーシティー&エクイティーの推進も兼任する。
 

IBMから分社化したキンドリル

 
昨年9月にIBMから分社化したキンドリルは、 自社製品を持たず、さまざまな企業とのエコシステムを形成し、お客さまにとってベストミックスなテクノロジー基盤を実現することを使命としています。

松本さんがIBMからの移籍を決めたのは「全世界で約9万人という規模の会社の立ち上げを、会社の重要な一員としてゼロから作っていくという経験は、生涯経験することができないだろう」と思ったから。

「IT業界には素晴らしい製品やサービスを持った企業がたくさん誕生しており、いろいろな特性を持ったアライアンスパートナーとエコシステムを形成し、どうやってお客様と社会に提供する価値を最大化していくかということが求められてきます。それがすごく面白い。自社製品を持たず、インクルーシブかつオープンな立場でそれを実現しようとしている企業はあまりないのではないかなと思います。」と話す。

キンドリルはその実現に何よりも重要な「人」に最も価値を置いており、「一人一人の違いを理解し合い、尊重し合い、価値を認め合い、大切にすること」を意味するインクルージョンをダイバーシティー、エクイティーの前に位置付け、インクルージョン、ダイバーシティー&エクイティー(ID&E)としています。

「カタチのある製品を持たないキンドリルにとって、社員一人一人が発揮する力の総和が私たちの提供価値です。そのため、「私たちは人こそが価値の会社として、お客さまと社会への提供価値を最大化します。そのためにキンドリルジャパンは一人一人が自分らしく働くことができ、組織としての力を最大限発揮できる環境を築いていきます」というID&Eのミッションを設定しました。」

お客様の多様性を考えた上で、様々な強みを持つアライアンスパートナーと協力し、お客様により適したサービスを提供するという考え方は、まさにID&Eに通じるところです。

 

自分たちも一緒に会社を作っていきたいと、若手社員たちが声を上げた

 
社内はIBMから移籍した人だけではなく、新たに入ってきた人材も多い。人と人の距離感が近く、意見が言い合えてオープンな雰囲気があるといいます。

「会社ができてすぐに、入社して一、二年目の若手社員たちが、キンドリルジャパンの未来は自分たちも一緒に作っていきたい。と自ら手を挙げたのです。」

そこでどんな会社にしていきたいか、社内SNSツール上で全社員の意見・アイデアを募り、会社への提言をまとめました。そこから生まれた取り組みもたくさんあります。社員が主体となって実際に自分たちで制度や仕組みを作り、変えていけるチャンスがあるのです。

 

一人一人が発揮するものが最大化すればよい結果に繋がる

 
キンドリルは米ニューヨークに本社を置いていますが、各国に大きな裁量が任されています。「ID&E」への取り組みについては日本の方が一足早くスタートし、積極的な活動を続けています。

2022年のキンドリルジャパン「ID&E」重点施策としては「感謝を伝え合う」「お互いを受け入れ、活発に意見が言い合える」「前向きにチャレンジし、そのチャレンジをお互いに推奨する」を掲げています。例えば「感謝を伝え合う」については、社員同士が「ありがとう」を伝え合うシステムを導入し、役員も含めて積極的に活用しながら浸透に努めています。

また、設立当初から先進的な制度をスピード感をもって導入しています。時間と場所に柔軟性を認める勤務制度を採用。また、育児や介護のための短時間勤務制度や、子どもが1歳になるまで取得できる独自の育児休暇制度などがあり、多くの社員が利用しています。育児休暇を取得する男性社員も少なくなく、多様な働き方を支援する風土があります。また、同性パートナーを配偶者と同等に見なす「パートナー登録制度」により、結婚・出産の際の特別有給休暇や慶弔見舞いなどの各種制度が、登録された同性パートナーにも適用されます。障害者も多数働いており、バリアフリー整備に加え、一人一人の能力を最大限に発揮できるよう、障害の特性に応じてオフィス環境を整える配慮を行っています。創業一年目から最先端大企業レベルの取り組みを、多様な働く人に対して惜しまない。まさに「人が価値」ということを体現しています。

 

複数社で一緒に取り組むこと

 
「私たちの会社の良いところは、 インクルーシブかつオープンな立場でパートナーシップが推進できるところで、それがID&Eにも活かせるはずだと思っています。これからは、もっといろいろな企業と協力して進めていきたいと考えています。」

ID&Eは複数社で取り組むことでより大きな影響力を生み出すことができます。
よりよい社会にしていく為にも、いろいろな企業と組んで企画をし、取り組みを考えていくことが必要になってきます。
インクルーシブかつオープンというキンドリルジャパンの強みがその役割を担えると思っています。

 

読者へのメッセージ

 
最後に、松本さんよりメッセージをいただきました。

「自分が人生で何を成し遂げたいのか、そしてそのためにどんなキャリアを歩んだらいいかと悩んだり、やりたいと思っていることとキャリアが繋がるようで繋がらないと感じることが誰しもあるかと思います。私にもそんな期間が長くありました。
そんな時は自分の中で信念を持ちつつ、長い目で見てあまり焦らずに捉えてみるのがよいのではないかと思います。
自分が心からやりたいと思うことで、今できることに実直にチャレンジしていくこと。もしかしたらその積み重ねが遠回りのようで一番の近道かもしれません。
チャレンジをしてそれでもできなかったことは自分の学びになるけれど、やらなかった後悔は 一生残ります。
結果を焦らず、他人と比べず、今自分がやりたいと思うことを大事にして欲しいなと思います。」