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Update on :2022.10.24

組織風土として多様性を受け入れ、「違い」を個々の「強み」として活かしていくことが 当たり前の時代に

遠藤 亮介さん
株式会社 ジェイ エイ シー リクルートメント
Global CHRO(Chief Human Resource Officer=最高人事責任者)

1975年、英国に居住する日本人を支援することを目的として、ロンドンで産声をあげたジェイ エイ シー リクルートメント。会社名には現地で活躍する 日本(Japan)の方の代理人(Agency)、相談相手(Consultancy)としてお役に立ちたいという想いが込められているそうです。現在では世界11ヵ国で日系企業、外資系企業、各国のグローバル大手企業に対し人材紹介事業を幅広く展開しています。今回は同社のGlobal CHRO(最高人事責任者)を務める遠藤亮介さんに、お話をお伺いしました。

遠藤 亮介さん
株式会社 ジェイ エイ シー リクルートメント
Global CHRO(Chief Human Resource Officer=最高人事責任者)

かつて勤めた米系人材紹介会社の日本法人では、コンサルタントとして外資系企業を中心に企業と求職者の双方を支援。その後、大手外資系消費財企業を中心にHR(人事)領域でキャリアを築き、直近2社では英系企業の日本法人でHR責任者を歴任。外資系企業で約20年間生き抜いた実力と経験、またそこで培われた価値観を評価され、2019年7月に現職のジェイ エイ シー リクルートメントへ入社。Global CHRO(Chief Human Resource Officer)に就任。最高人事責任者としてらつ腕を振るう。
 

「自由と規律を尊重する」英国の組織風土を土台として

 
管理職・エグゼクティブ向け、ミドル・ハイクラス層に特化した転職・採用支援コンサルティングサービスを提供するジェイ エイ シー リクルートメント。世界の各国で企業の発展を担う人材を数多く紹介する(つなぐ)ことで、人と企業と経済の成長に貢献することをミッションに歩み続けています。そんな同社にとって、ダイバーシティ&インクルージョン(以下D&I)とは、どんな位置づけにあるのでしょうか。
「弊社は日本人である創業者が英国で創業した当初から、人種、性別、国籍などは本来個人の自由であり、それが個人の強みを発揮するための土台であるという『自由と規律を尊重する』英国の組織風土があります」と語るのはCHRO(最高人事責任者)の遠藤亮介さん。
同社の経営理念は「フィロソフィー&ポリシー(Philosophy&Policy)」。これは創業者である田崎忠良氏(現 取締役最高顧問)が英国パブリックスクール時代に学んだ英国式の教育理念であり、「勉強は強制的にやらされるものではなく、自ら勉強に対する姿勢を律し、その上で自由な発想で自らを磨いていくものである」という想いが込められているそうです。「フィロソフィー(哲学)の中に、フェアネス(Fairness・正当性)という概念があります。これは『あらゆるものに関係なく、個人の能力と成果で正当性をもって評価される会社。ジェイ エイ シー リクルートメントで働く者にはいつもFairなチャンスが与えられている』というもので、D&Iもその一環にあると思っています」(遠藤さん)
 

「Myじんけん宣言」で社員・社会に向けたコミットメント

 
D&I活動とともに、同社はSDGsの目標達成に向けて様々な活動をしています。
「人と企業をつなぎ、その成長に貢献し続けることで、サステナブルに社会が発展していくことに貢献するのが、我々の使命だと考えています。そのため社員とその家族が健康で生き生きと意欲的に生活ができるよう、育児や健康面でのサポートを実施し、社員一人ひとりの意識が地球環境にも影響を与えていけるよう、植林を通じての環境保全活動など、様々な取り組みを行っています。」(遠藤さん)
SDGsの目標には「貧困をなくそう」「飢餓をゼロへ」「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」などの他に「ジェンダー平等を実現しよう」「すべての人に健康と福祉を」「人や国の不平等をなくそう」といったD&I活動に共通するものも含まれています。では、同社ではどんな取り組みをしているのでしょうか。
「『女性社員の活躍推進』『社員へのLGBTQの認知と理解の向上』『障がいを持つ社員が活躍できる職場環境の整備』の3つを柱に全社横断型のプロジェクトとして推進しています。この3つは法務省が掲げる『Myじんけん宣言』に、表明したものでもあり、今後もさらに活動を具体的にしていく予定です」(遠藤さん)
「Myじんけん宣言」とは、企業、団体及び個人が、人権を尊重する行動をとることを宣言することによって、誰もが人権を尊重し合う社会の実現を目指す取り組みです。
「私自身は20年近く外資系企業に勤務していたこともあり、それぞれが違っていること自体が当たり前で、それが個性であり個々の優位性だという考えの基で行動しています。例えば、LGBTQについては、もともと法的家族のみを対象にした育児・介護に対するガイドラインへの改善着手をし、2020年4月からは同性パートナーを含めるよう対象を拡大しました。また、社内の啓発セミナーやアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)に関する研修を開催することと併せて、社員が各人のデスクにアライ表明のステッカーを貼ることで、当事者が心理的安全性を持って活躍できる風土の醸成にも力を入れています」(遠藤さん)
女性活躍推進に関しては、同社の女性比率は約40%。女性管理職の比率も25%と、既に全国平均を大きく上回っているものの、2025年中に、全社管理職に占める女性管理職者の割合をコンサルタント職・業務職とも40%に引き上げることを目標にしていると言います。
「マネジメント適性・意欲・可能性のある女性も、生き生きと強みを発揮できる多様性ある組織の醸成という観点で、女性管理職の比率をより一層高めることは重要です。結果、個々の強みや個性が重視され、性別や年齢に関係なく能力が発揮できる組織が実現されていくと共に、新しい発想やイノベーションの創造、かつ健全な対話や物事の判断において偏った意思決定になるリスクも回避し、ハイパフォーミングな組織に繋がっていくと考えています。2021年6月からは、多数の女性マネジメント層が活躍できる環境整備を目指して、約20名の社員と共に『ウィメン・エンパワーメントコミッティ』を立ち上げ、女性幹部を育成する取り組みを強化しています」(遠藤さん)
このような取り組み以外にも、障がい者雇用の面では、2013年より千葉県市原市の農園で、障がいを持つ社員を雇用。収穫された作物は、社内で定期的に行う即売会で社員が購入し、相互理解を深めているそうです。
 

自分の強みを発揮できる職場を

 
コンサルタントは、求職者の人生や企業の成長に影響を与える仕事です。そのために求職者の方々のみならず、企業側とも強い信頼関係を築くことが不可欠です。当然個々の求職者は育ってきた環境も背景も異なります。それだけに多様性を認めることは、普段の仕事を通じて育まれているのかもしれません。
「多様性を認めるということは、それぞれの強み、個性を違いとして認めることであり、それが組織風土として浸透していることが当たり前になる時代が目の前に来ていると言っても過言ではないでしょう」(遠藤さん)
そんな遠藤さんから、読者の皆さんにメッセージをいただきましたので、ご紹介いたします。
「現代はネット社会ということもあり、不確かなことも含め情報過多になっている傾向があるかもしれません。情報は重要な要素のひとつですが、取り込む情報によってはそれに振り回されて、自身の判断軸や価値観自体もブレてしまうリスクを秘めているとも言えるでしょう。ですから、適切なフィルターを持って情報過多な状況に振り回されず、自分の強みをしっかり認識してそれを発揮できる環境や役割りを見つければ、意義ある自己成長にも繋がり、かつ社会に何かを還元できるはずです。それがやりがいにもきっとつながることでしょう。他人と比べる必要も無く、自分の個性を発揮できる環境を選ぶことが、ご自身のWell-being(多面的で持続的な幸福)につながり、ひいては多くの方々や世の中にも役に立つことにつながると思います。応援しております。」