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Update on :2022.10.12

「Inspire Confidence, Empower Change. (社会に信頼を、変革に力を)」をPurposeとして、根気強く挑戦し続けるプロフェッショナルファーム

竹内知明さん/新谷英子さん
KPMG 有限責任 あずさ監査法人/KPMGコンサルティング株式会社
ダイバーシティ推進リーダー/IDE推進室

クライアントが抱える経営課題に対して、監査、税務、アドバイザリーなど各分野のプロフェッショナルが専門知識やスキルを活かして連携し、価値あるサービスを提供するKPMG。世界4大会計事務所「Big4」とも呼ばれています。今回はKPMGジャパンからインクルージョン、ダイバーシティ&エクイティ(IDE)のステアリングコミッティで推進リーダーを務める竹内知明さんと推進メンバーの新谷英子さんにお話しをお伺いしました。

竹内知明さん
KPMG 有限責任 あずさ監査法人(公認会計士) ダイバーシティ推進リーダー アソシエイト・パートナー

 

新谷英子 さん
KPMGコンサルティング株式会社 IDE推進室 ディレクター

 

IDEは、プロが活躍できるカルチャーをつくるための経営戦略

 
「Inspire Confidence, Empower Change.(社会に信頼を、変革に力を)」をPurposeに掲げ、世界144の国と地域に約236,000名(2022年6月現在)を擁するグローバルなプロフェッショナルファームであるKPMG。KPMGジャパンの日本におけるメンバーファームは、あずさ監査法人、KPMG税理士法人、KPMGコンサルティング、KPMG FASなどで構成されています。一人ひとりの能力の高さに加え、個人を尊重する風土や成長を促す充実した育成環境、フラットで風通しの良い社風などで社内外から高い評価を得ています。
同グループは、多様なプロフェッショナルが活躍できるカルチャーを作るための重要な経営戦略のひとつとして、「インクルージョン、ダイバーシティ&エクイティ」(以下IDE)を推進しています。
「『高品質なサービスの提供をもってクライアント・社会に貢献する』というグループ共通の目標を達成するためには、お互いの多様性を認め、活かし合いながら、高い能力を発揮し合う環境を作ることが必要不可欠であり、そのためにはIDEを推進することが大切だと考えています」と語るのはダイバーシティ推進リーダーの竹内さん。
またKPMGジャパンは、2021年に環境、社会、ガバナンス(ESG)に対する自らの行動計画「Our Impact Plan」を発表。
本計画では
(1)Planet(地球):脱炭素、気候変動リスク、生物多様性
(2)People(人):IDE、人権、継続的学習、健康とウェルビーイング
(3)Prosperity(繁栄):教育とコミュニティ(社会)
(4)Governance(ガバナンスの原則):倫理観のある行動へのコミット
の4つのカテゴリー別にコミットメントとアクションを示しています。うちPeopleにおいてIDEを規定しており、その中でIDE実現のための以下3つの施策を定めています。
(1)インクルーシブなカルチャーの醸成と信頼の構築
(2)理解と共感のある人材の育成
(3)機会均等の提唱
「性的指向および性自認をはじめ性別、年齢、人種、国籍、文化、宗教、信条、障がい、価値観、働き方などを異にする多様な人材を受け入れ、一人ひとりの能力を最大限に発揮できる環境を作るためには、インクルーシブなカルチャーを醸成することが前提になり、そのための啓発活動が必要不可欠だと思っています」と新谷さん。もちろん、こうしたダイバーシティへの取り組みは、それ以前にも行われていたそうです。
「以前は各ファームがそれぞれ対応していましたが、ジャパン全体で連携して取り組むようになったのが、2021年からということです」(新谷さん)
 

根気強く続けることが、IDE推進の基本

 
女性活躍推進策としては、女性リーダーのための経営戦略として、講座をはじめ、女性リーダー育成研修、ヤング・エグゼクティブ・セミナーといった研修を実施。また「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」及び「30% Club」へ賛同するなど、社外活動にも積極的に参加しています。
「以前は女性社員の退職率の高さがクループ共通の課題でした。長時間労働が常態化し、結婚・出産というステージで退職する女性社員も珍しくありませんでした。一度退職すると、それまで磨いてきた実力も、築いてきたキャリアもゼロになってしまいます。それは会社としても大きな損失でした」(新谷さん)
そこでKPMGジャパンでは、上記のような啓発活動に加え、社員制度を根本から見直し、出産育児に対する様々な支援制度を設けました。
「男性の育休や配偶者出産休暇、さらに保育園を探すための保活コンシュルジュサービス、繁忙期臨時託児所の開設などを整備しました」(竹内さん)
さらに、育休から復帰する社員に向けた復職支援セミナー、子どもの急病の際に利用できる病児保育サービスなど、社員の声を反映した制度を作ったそうです。
「責任を持って仕事に取り組もうとする成長意欲のある社員のために、出産・育児・介護との両立支援のための制度を今後も整備する方針です」(竹内さん)
また、LGBTQ+に対しては、理解促進を第一と考えてコンプライアンス研修や、管理者向けワークブックの配布・研修を実施。その一方では結婚休暇・配偶者出産休暇、慶弔金及び見舞金の支給など、人事制度・福利厚生制度の一部において、同性婚の相手を含むものとして改定を実施しています。
「LGBTQ+の活動に関しては、当初は理解を得るのは大変でしたが、研修を積み重ねたり、制度を改めたり、レインボー・リール東京(LGBTQがテーマの作品を上映する映画祭)への協賛などをしているうちに、徐々に理解度が深まりました。ですから、すぐに結果を求めるのではなく、啓発活動を根気強く行うことが、ダイバーシティ推進のためには非常に大切だと実感しています」(竹内さん)
また、前職でもダイバーシティ推進を担当していた新谷さんも「IDEは長い旅路のようなもので、継続することが大事です。年々、IDE活動を理解してくれる人、積極的に活動に関わる人も増え、社員の間で『IDE大事だよね』という声が自然と聞かれるようになったのは、これまでの活動が実を結びつつある証でもあり、個人的にはとてもうれしいです」と語ります。
 

不確実性が高い時代だからこそ、プロフェッショナルファームの真価が問われる

 
最後にお二人から読者の皆さんにメッセージをいただきました。
「IDEを大切にして多様性を尊重する組織作りを進めているので、一緒に取り組んでいきたい方は大歓迎です。将来、プロフェッショナルとして活躍したい方は、一緒に頑張りましょう」(新谷さん)
「監査、税務、アドバイザリーなど幅広いサービスを提供しており、それだけに色々な能力を持ったプロフェッショナルが集まっているグループです。自分を磨くには最適な環境です。我われもお客様や皆様に選ばれるグループになるために、常に努力し続けています。一人でも多くの方と、お会いできることを楽しみにしています」(竹内さん)
世界規模の新型コロナウイルスの蔓延に加え、ロシアのウクライナ侵攻など将来の予想が困難な状況になっている昨今、企業の財務諸表を監査し、企業に対してアドバイザリー業務を提供するプロフェッショナルファームに、改めて注目が高まっています。最近では数字で表れないものも重視される傾向があります。IDE活動もそのひとつです。いまこそ、プロフェッショナルファームの真価が問われる時代といっても過言ではないでしょう。世界4大会計事務所「Big4」とも呼ばれながら、常に新しい挑戦を続けるKPMGジャパンで自分を磨くのも、魅力的な選択肢のひとつといえるでしょう。




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