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Update on :2021.11.18

入社して、自分らしく働ける職場環境であることを実感

伊藤龍玄さん
株式会社セールスフォース・ドットコム
インストラクター/Outforce所属(イベント&コミュニケーション担当)

2020年4月に新卒でセールスフォース・ドットコムに入社し、ゲイであることをオープンにして働いている伊藤龍玄さんに、就活や仕事のこと、LGBTQ+をサポートする社内イクオリティ・グループ「Outforce」の活動、さらにはカミングアウトやパートナーのことなどについても話してもらいました。

伊藤龍玄さん
株式会社セールスフォース・ドットコム
Outforce所属(イベント&コミュニケーション担当)

2020年4月に新卒でセールスフォース・ドットコムに入社。Salesforceを導入したユーザのシステム管理者・上級管理者向け研修、新卒・中途研修、また認定資格の対策講義を担当。2021年4月、社内イクオリティ・グループの一つでLGBTQ+をサポートする「Outforce」に参加。ゲイの当事者であることをオープンにし、イベントの企画運営を担当している。

 

入社を決めた2つの決め手

 
コロナ下の2020年4月、新卒でセールスフォース・ドットコム(以下、Salesforce)に入社した伊藤さん。オンラインでの入社式に始まり、現在まで一度も出社することなく在宅勤務が続いているといいます。そんな伊藤さんに、まずは入社に至る就活について話してもらいました。

「当初はSalesforceという会社の存在を知らなかったのですが、友人に教えてもらって、2日間のインターンに参加しました。私は大学時代に、周囲にゲイであることをカミングアウトしていたのですが、そんな私にSalesforceのカルチャーは合うのではないかと、その友人が勧めてくれました。インターンでは、学生同士でグループワークをやったり、ボランティア活動を一緒にやったり、そうした中で、Salesforceの企業文化に触れ、自分自身がやりたいと思っていたことができそうだと感じました。そこで入社選考を受け、無事入社する運びとなりました。入社の決め手は、二つありました。まず、Salesforceのサービスは、大企業だけでなく中小企業に対しても導入でき、組織の規模に関係なくソリューションを提供しているところです。というのも、私の実家が小さな会社を経営していて、会社の立ち上げの時期は、子供ながらに大変そうだと感じて、中小企業に対する支援や課題解決のために何かできないだろうか、という思いがあったからです。もう一つは、平等に関する活動を本気で行っているところです。ただ今でも悔やんでいるのは、就活のときにカミングアウトできなかったことです。学生目線のイメージで、平等や多様性に関する理解の進んでいる会社だとは思っていたのですが、いざ面接の場で、目の前にいる人事担当者や社員の方たちがどれくらい理解があるのかについては不安を感じて、どうしても自分自身を見せられなかった。そのことはすごく後悔しています」


 

Salesforceに根づく企業文化

 
入社後、まずは新卒を対象にした4カ月の研修を受けて自社製品やIT全体の知識を習得し、その後、配属先で必要な専門的なスキルを習得するための研修をさらに4カ月受け、ようやく実際の業務につくことになります。現在、伊藤さんは、Salesforceのサービスの使い方を、クライアントのシステム管理者に教えるインストラクター業務を担当しています。実際に入社して1年半がたった今、会社に対してどんな印象を持っているのでしょうか。

「入社前のイメージ以上の、とても良い印象を持っています。Salesforceの企業文化の根底には、従業員、お客様、パートナー様、社会を家族のように大切にするという考えが根付いています。それは、Salesforceのコアバリューの一つでもある、“カスタマーサクセス”にも通じます。従業員もお客様(カスタマー)も大切にし、お客様に成功してもらうために働くことで、会社も成功に導かれていく。関係者みんなの成功を目指して、みんなでがんばろうという考え方が根底にあると感じます。それから、入社以来ずっと在宅勤務を続けていますが、Zoomや、Salesforceが最近買収したSlack、ドキュメントアプリのQuipなど、オンラインで使えるビジネスツールがとても充実しており、在宅でも高いクオリティで業務ができていることはありがたいと感じています」


 

社内にアライを増やすための「Outforce」の活動

 
Salesforceのコアバリューの一つに「平等(イクオリティ)」があり、それを実現していくために、日本においては、イクオリティ・オフィス(社内外で平等を推進する部署)が後援する4つのイクオリティ・グループという従業員リソースグループがあります。その中でLGBTQ+をサポートするのが「Outforce(アウトフォース)」です。伊藤さんは、2021年4月から「Outforce」の活動に参加しています。

「Outforceは、性的指向、性自認に対して平等な扱いを求める従業員主導のグループで、私のようなLGBTQ+当事者とアライ(LGBTQ+の支援者・仲間)によって構成されています。セミナーやボランティア活動を行ったり、東京レインボープライドではブースを出展し、パレードに参加したりしています。なぜこういう活動が可能かというと、Salesforceでは、就業時間の1%をボランティア活動に充てることができるのです。これは年間に換算すると56時間で、この時間内であれば業務時間内でのボランティア活動が認められています。なので、平日でもイベントやボランティア活動にたくさんの人が参加できるのです。Outforceの活動の中で、私はイベント&コミュニケーションの担当で、イベントの企画・運営を行っています。例えば、この8月には、社員の家族の子供向けに『りつとにじのたね』という絵本を読み聞かせるイベントをオンラインで開催しました。Outforceの活動で特に重要だと考えているのは、社内にアライを増やしていくことです。私のような当事者の社員はやはり少数なわけで、大多数のいわゆる“ストレート”の社員に、アライになってもらうことが大切であり、課題だと思っています」

LGBTQ+に関する課題もいろいろある中で、伊藤さんが特に関心を持っているのは婚姻の平等、同性婚だと言います。

「同性同士で結婚ができるというオプションがあるかどうかによって、これからの私の人生は大きく違ってきます。現在、私は同性のパートナーと同居しているのですが、彼との将来を考えるうえでも、とても重要な課題なので、同性婚には高い関心がありますね。弊社のCEOのマーク・ベニオフは、“ビジネスは社会を変えるための最良のプラットフォームである”と言っています。例えば、婚姻の平等であれば、“Business for Marriage Equality”という、婚姻の平等(同性婚の法制化)に賛同する企業を可視化するキャンペーンがありますが、Salesforceも賛同していて、まさに、CEOの言葉にあるとおり、企業がプラットフォームとして社員の意識を変え、社会を変えていく力となるわけです」

 

社内でのカミングアウト、家族へのカミングアウト

 
伊藤さんがOutforceの活動に加わったのは2021年4月で、入社して1年が過ぎていました。

「入社して、一社員としてOutforceのイベントには参加していました。その中で、イベントの参加者数の多さであるとか、グループ内でのディスカッションなどを通して、この環境だったらカミングアウトしても大丈夫かなと思って、2021年4月にOutforceのメンバーになり、自分が登壇するイベントでゲイであることをカミングアウトしました。嫌なリアクションはまったくなくて、知れてよかったという声もありました。一番嬉しかったのは、カミングアウトしたことによって仕事をしにくくなるようなことがまったくなく、ミスをすれば怒られるし、うまくできれば褒められるし、周りの人たちが、セクシュアリティとは関係なく、自分自身のことを見てくれていたことでした」

家族へのカミングアウトについても聞いてみました。

「家族へのカミングアウトですが、大学生の頃に、母親にはしましたが、父親にはきちんと言っていないです。両方にしようと思ったのですが、父は古い考えの人で、LGBTQ+? よく分からん、みたいな反応で、以前、付き合っている人が同性で、といった話を雑談レベルでしたことがあったんですが、流されてしまって、それからはまったくそのことについては話していないです。一方、母の最初の反応は、それほど表情に出ることはなかったのですが、数年後、一緒に食事をしながら話をしたときに、自分の子供が、となると、正直やっぱりつらかったと言っていました。LGBTQ+の人たちはみんな苦しい思いをしているのだろうと思っていたようで、自分の子供も差別を受けたり、さまざまな苦しい思いをするんじゃないかと心配したと話してくれました。今ではすごく理解してくれて、今のパートナーとも会ってくれていて、とても良好な関係です」

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

「私自身はLGBTQ+のG=ゲイですが、他にも、障がいを持っている人であったり、男女平等であったり、さまざまな人の多様性を受け入れる、自分らしくいられる職場環境だなと実際に働いて感じています。個人のその人らしさを大事にしている会社であるということを、メッセージとして伝えたいです」