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Update on :2021.02.19

「モルガン・スタンレー」で、 自分らしく働ける「幸福」を実感

木村正吾さん
モルガン・スタンレー
証券管理部

世界有数のグローバル総合金融サービス会社「モルガン・スタンレー」。日本においては投資銀行業務、株式・債券のセールス&トレーディング、不動産業務、資産運用業務を含む多岐にわたる金融サービスを提供しています。近年ダイバーシティ・アンド・インクルージョン(以下D&I)に積極的に取り組んでいることでも知られています。
今回はオペレーションズ部門に所属しながら、同社の「Pride &Ally ネットワーク」のコアメンバーとして活躍している木村正吾さんにお話をうかがいました。
 
■プロフィール

木村正吾さん(写真左)
モルガン・スタンレー 
証券管理部


大学卒業後、欧州系金融機関に就職。その後、オーストラリアに留学し、現地の高校で日本語教師として勤務。帰国後、米系金融機関を経て2012年にモルガン・スタンレーに入社。現在はオペレーションズ部門にて取引管理業務を行ないながら、社内の「Pride & Ally ネットワーク」のコアメンバーとしても活躍している。
 

アライとして活動している人が多いことに勇気づけられて

 
現在、木村さんはオペレーションズ部門に所属し、株式部や債券部などと密に連携を取りながら日々執行される取引を管理し、取引相手の顧客に対するサポート業務を担当。顧客の気持ちに寄り添うことを第一に考えながら信頼関係を築き、仕事に向かい合うように心掛けていると言います。
木村さんは、大学卒業後に一度は金融機関に就職したものの、「海外で語学の先生をしたい」という夢を叶えるために退職。その後、一念発起してオーストラリアに留学し、現地の高校で日本語講師として採用されました。帰国後は再び金融機関でのキャリアを再スタートし、2012年にモルガン・スタンレーに中途採用で入社したというアクティブな経歴の持ち主です。
現在、木村さんがゲイであることは、同社内でオープンにしています。しかし、以前の勤務先では当時アメリカンフットボール選手の男性と付き合っていたのに、「アメフトのチアリーダーの女性と付き合っている」などとパートナーについて誤魔化すことも珍しくなかったそうです。

「周囲ではうすうす気づいている人もいましたが、自らオープンにはしきれずにいました。モルガン・スタンレーに入社してまず感じたのは、デスクの上にアライ(支援者・理解者)であることを示すカードを周囲にわかるように立てたり、『Pride & Ally ネットワーク』という社員ネットワークが社内啓発イベントを行なっていたりと、アライとしてアクティブに活動している人が多い会社だということです。とても印象的でしたし、勇気づけられました。」
 

LGBT当事者として想いを語る

 
同社では、「多様な価値観を尊重する」という企業指針のもと、全ての社員が性別や性自認、性的指向によって差別されることなく、個々の能力を最大限に発揮できる職場環境づくりに努めており、当事者もアライも参加できる有志社員のネットワーク活動「Pride & Alliesネットワーク」を2009年に設立。毎年6月のプライド月間にはアメリカ本社や他地域のネットワークと連携して、社内啓発のためのイベントなどを開催しています。
「大きなイベントはもちろん、社内にレインボーカラーのポスターが張られていたり、D&Iにまつわるトレーニングが設けられたり、当社が多様性を尊重していることを日常的に感じられます。それは社内にD&Iが浸透しているひとつの証だと思いますし、本当に心強いです」
「今まで開催したイベントで特に印象に残っているのは、当事者の想いをアライの方と対談形式で語るという『LGBTとアライのための会社説明会』の一環として行われた企画です。アライの方からの質問に答える形で私が自分自身の体験や考えを語ったのですが、素の自分を見せながらじっくり話すことができ、当事者としての私の想いを発信できたことは有意義でした。参加者からも積極的に質問があり、社員と学生がこうしたイベントで触れ合い、私のような当事者が楽しそうに働いていること、多様な人材が活躍できる文化が当社にあることを少しでも伝えられたと思うと、うれしいです」
実際のところ、参加者からは「他社では当事者の話を聞く機会がなかったので勇気づけられた」、「堂々と話している姿に感動した」といった称賛の声も寄せられたそうです。

「私は性的マイノリティであることを、今は隠すことなく働いています。ありのままの自分で働けるのは、非常に心地よいことですし、仕事に対してのモチベーションを維持する一助にもなっています。だから、LGBTに限らず障がい者やシングルマザーなど多様な社員の誰もが自分らしく働ける環境づくりのために少しでも役に立ちたいというのが、今の私の素直な気持ちです。会社がD&Iの旗を振り、社員の中にもアライが増え、まさに活動が根付き始めている段階だと思います。今後は、草の根運動のようにその活動の輪を広げていきたいです」

▲「ありのままの自分で働けるのは、非常に心地よい」という木村さん

 

学ぶ姿勢さえあれば、どんな業界でもどんな会社でも成長できる

 
長年、金融業界で活躍している木村さん。木村さんの新人時代と比べると仕事環境もその内容も変化しているそうです。
「最近はIT化が進み、これからはAIが活躍する時代になるでしょう。だからこそ人間にしかできない仕事が重要になってくると思います。自分の存在価値を高めることを念頭に、今の業務にとらわれることなく様々なことに挑戦するという気概を持ち続けたいと思っています」
就活生が気になる新人育成に対する考えも変化しているそうです。
「私が若いころは、先輩のやることを見て、やってみて体で覚えるところからスタートしたものです。しかし、自分がそのように育ったからと言って、同じように次の世代を育成しようとするのは違うと思っています。特に最近重視しているのは、自分が担当している仕事が会社全体の業務の中でどの地点にあり、会社にどう貢献しているのか、個々の仕事内容や自身の存在意義をしっかり指し示してあげることです。それぞれの仕事内容を理解し納得してもらうことでモチベーションにも繋がると思うので、そのためにも意識的にコミュニケーションを多くとるようにしています。」

▲「多様な価値観を尊重する」という企業指針のもと、全ての社員が性別や性自認、性的指向によって差別されることなく、個々の能力を最大限に発揮できる職場環境づくりに努めている。


最後に木村さんから、就活生に向けてメッセージをいただきました。
「私自身、就職活動を始めた頃は特に金融業界に興味があったわけでもないし、金融の知識があったわけでもありませんが、今では自分の仕事にやりがいを感じますし、自分らしく働いています。就職活動を進めるときには業界や職種を特別に絞りこまずにいろいろな企業をみるのもいいかもしれません。どんな業界でも、どんな会社でも学ぶことはあるはずですし、尊敬できる先輩とも出会うはずです。あまり自分の適性を絞りすぎずに進める方がうまくいくことが多いのではないでしょうか。自ら学ぶ姿勢さえあれば、どんな会社に入社しても自分を成長させることは必ずできますから。」